近年ランドリールームの需要が高まってきています。「必要?」「不要?」の論争はありますが、家事が効率よくなるのは間違いありません。悩まれている方々が参考になるようにランドリールームについて、詳しく書いてみましたのでご紹介していきましょう。
目次
1. ランドリールームって何?
2. 洗濯物はどこに干している?
2-1. 戸建てと集合住宅の洗濯事情
2-2. 共働き世帯の場合
2-3. 子育て世帯の場合
2-4. 洗濯は朝派?夜派?
2-5. 部屋干しのポイント
3. ランドリールームとサンルームの違い
4. 注文住宅 ランドリールームは作ったほうがいい?
4-1. 注文住宅 ランドリールームをつくるメリットとデメリット
4-2. 注文住宅の脱衣所をランドリースペースにする
4-3. 注文住宅の2階にランドリースペースをつくる
4-4. 注文住宅 リビングから見えない部屋に物干しワイヤー
5. もし注文住宅でランドリールームをつくるなら
6. まとめ
以上が目次となります。
1. ランドリールームって何?
まずは、ランドリールームとはどういうものか、簡単にお伝えしていきましょう。ランドリールームとは、洗濯機や乾燥機を専用に設置する部屋で、洗濯物を干したりたたんだりするためのスペースを確保できます。通常は、脱衣所や浴室の近くに設けられ、家事動線を考慮した設計が重要です。この部屋があることで、洗濯に関わる作業が集約され、効率的に行えるようになります。これから注文住宅や新築を考えている方は、ランドリールームをつくるかどうか、この記事が判断材料のひとつになれば幸いです。
2 洗濯物はどこに干してる?
ランドリールームを特に設けていない、もしくは集合住宅に住まわれている方の洗濯事情はどうでしょうか。生活スタイルや人数にもよりますが、外干しの方と部屋干しの方それぞれになるかと思います。それでは、ケース別にお伝えしていきましょう。
2-1. 戸建てと集合住宅の洗濯事情
戸建て住宅では、庭やベランダに干すことが一般的です。外の風通しの良い場所や日光に当てることで衣類の乾燥を行います。しかし、天候によって、常に洗濯物を気にしなければならない不便さがあります。ただし、花粉症やPM2.5を気にされる方は、室内干しをしている方も多いでしょう。干す場所がなくリビングで干してしまっている方や、ある程度外で乾燥させてから浴室乾燥機で仕上げる方もいるでしょう。洗濯機を回す音などの生活音に気を使わなくて良いというのも、戸建ての魅力のひとつです。対して、集合住宅は、庭に洗濯物を干せない以外は戸建てとそう変わらないでしょう。共同で洗濯物を干せる設備があるところも。しかし、生活音に関しては上下左右に隣接している場合があるため、夜間や早朝の洗濯にも気を遣っています。
2-2. 共働き世帯の場合
家にいる時間が短い共働き世帯では、外干しは難しいと感じる方がほとんどでしょう。そのため、どちらかの休みの日に洗濯してベランダや部屋で干したり、乾燥だけコインランドリーを使用するなどの工夫をされています。また、乾燥機能付きの洗濯機や、ガスで乾燥させるタイプの乾燥機を活用する方も増えています。その場合、洗濯機・乾燥機・洗濯カゴを置くスペースを確保する必要がでてきます。ランドリールームをつくっておくと、天候や時間帯に左右されずに洗濯物を干すことができ、家事の効率が上がります。その場で洗濯・乾燥から、たたんで収納するまで導線が整っていれば、お互い家事を分担しやすくなるでしょう。
2-3. 子育て世帯の場合
子育て世帯では、更に頻繁に洗濯が必要になります。汚れのひどり衣類や靴など、洗濯する回数も必然的に上がります。洗濯も一日に2~3回以上まわすご家庭も。必然的に洗濯物を干すスペースが足りない…と感じる方も多いと思います。外干しに加えて室内干しをしたり、乾燥機などを活用しましょう。脱衣所兼ランドリースペースがある場合は、洗濯から干すまでの流れがスムーズになり、洗濯の時間短縮になります。独立したランドリールームもあると便利です。また、お子さんと一緒に家事をすることで、教育的な効果も期待できるでしょう。
2-4. 室内干し 洗濯は朝派?夜派?
洗濯を行う時間帯も家庭によって異なります。朝派の家庭では、早めに洗濯を済ませ、日中に干すスタイルが一般的です。太陽光パネルを上げている方は、日中の電力を回せるので朝洗濯がおすすめです。一方、夜派の場合は、その日に着た服をお風呂時間を利用して洗い、干してしまう方が多いようです。これは、雑菌が繁殖しないうちに洗ってしまうことで、汚れが落ちやすくなる利点になるでしょう。他にも例を挙げると、バスタオルは洗いづらいのでフェイスタオルを使用したり、着用した服をもう一度着るなど、洗濯物の量を減らす工夫をしているようです。乾燥機能がついた洗濯機や、ガスで乾かす衣類乾燥機の使用も増えてきています。洗濯物の量や洗い方にもよりますが、濡れたまま放置すると、雑菌やカビが繁殖する原因となります。雑菌は湿度60%以上、温度20~30℃で爆発的に増殖するといわれています。洗濯物を干し忘れた場合は、夏場なら洗濯後1時間、冬場なら2時間程度がリミットです。まず自分の嗅覚でニオイの有無を確認しましょう。その上で、完全に乾燥できるまでの時間を考えて、洗濯終了から5時間以内でおさまりそうであればひと安心です。
2-5. 上手に室内干しするために
●部屋干し臭発生させない室内干しのポイントは下記の通りです
・部屋干し用の洗剤を使用する
・洗濯後すぐ干し、5時間以内に乾かしきる
・脱水時間の延長、乾燥機能のある洗濯機や乾燥機を使用する
・除湿機やサーキュレーターを併用する
・干し方を工夫する(厚手のフーディ、ジーンズなど)
・汚れがひどい場合は予洗いを
・うまく乾かない時はアイロンを利用
ここで一番伝えたいことは、洗濯した衣類は数十分すると菌が爆発的に増殖してしまうということです。干す直前に洗うことが大切です。そして5時間以内に乾かし切ることも重要となってきます。
●部屋干し臭に悩まされている方のチェック項目・洗濯容量にみあった洗濯機を使用しているか、洗剤の量は適量か
・洗濯層を定期的に清掃しているか
・干す際に洗濯物どうしの隙間は狭すぎないか
・生乾き臭が染みついてしまった洗濯物の処理はきちんとされているか(表示タグを確認して重曹や酸素系漂白剤でつけおきなど)
・洗濯物を干している空間の掃除はしているか
●上記以外での解決策として
・毛布や大きなものはコインランドリーで乾燥
・作業着など汚れものが多い場合、スロップシンクの設置の検討
・給排湿機能のある壁材、天井材を使用する
・自分で無理なスーツやオシャレ着は、無理せずクリーニングへ
3. ランドリールームとサンルームの違い
「洗濯物を干す場所として、ランドリールームとサンルームって聞くけど、どちらがどういいの?」というご質問もあります。ランドリールームは主に洗濯に特化した実用的な空間ですが、サンルームは洗濯物を干す以外にも日光を楽しむためのスペースです。サンルームでは、観葉植物を育てたり、リラックスするための場所としても利用されます。基本的に特殊な天井窓を使用しているため、コスト的にも高い印象です。また、ペアガラスなどではないため、冬は寒く、夏は暑いということもあります。一方、ランドリールームは家事の効率化に重きを置いた空間であり、ある程度のスペースは確保しなければなりません。両者は目的が異なるため、家づくりの際に考慮する必要があります。
4. 注文住宅 ランドリールームは作ったほうがいい?
家族の生活スタイルや住環境によって必要性は異なりますが、共働きや子育て世帯にとっては特に便利です。作ったほうが良いかどうかはご自身の選択によるところです。しかし、効率的な家事が求められる今、部屋干しの選択肢として、注文住宅で「ランドリースペース」や「ランドリールーム」を検討している方も多くなっています。ですが、良いところもあれば、作って後悔をされる方も…。次の項目でランドリールームのメリットとデメリットを見ていきましょう。
4-1. 注文住宅にランドリールームをつくるメリットとデメリット
● メリット
・ 効率的な家事:洗濯から乾燥、収納までを一つの部屋で行えるため、時間を節約できます。
・ 天候に左右されない:雨の日でも洗濯物を干せるため、急な天候の変化に困ることがありません。
・ 花粉やPM2.5に汚染されない:花粉やPM2.5,黄砂を付着させずに乾燥することができ、アレルギー対策ができます。
・ 湿気の管理:湿気がこもるのを防ぐための換気や空調が整えやすく、カビの発生を防げます。除湿器やサーキュレーターも併用しましょう。
・ 見た目の整理:収納スペースを設けることで洗濯関連の物を整理でき、スッキリとした印象を保てます。また、洗濯物が見える心配がないので、プライベートを確保できます。
・ 衣類の変色を防ぐ:紫外線と排気ガスから変色を防ぐことができます。
・ 防犯:洗濯物が夜遅くまで干されたままだと、家に人がいないサインとなることもあります。
●デメリット
・ スペースの制約:ランドリールームにはある程度十分なスペースが必要なため、他の場所の間取りが削られる可能性があります。
・ コスト問題①:建設やリフォームにかかる費用が増える可能性があるため、予算をしっかり考慮することが重要です。
・ コスト問題②:除湿器やサーキュレーターを使用するため、電気代がかかります。衣類乾燥機を使用する場合は、ガス代も考慮にいれましょう。
・ ホコリがたまりやすい:こまめな掃除をして、常に綺麗にしておく必要があります。
・ 利用頻度:使わなくなってしまった場合、無駄な空間になることも。その場合の活用の仕方についても考えて設計しましょう。
・ 湿気の管理:換気・空調設備をうまく利用できない場合、カビの温床になることがあります。
4-2. 注文住宅の脱衣所をランドリースペースにする
以上のことを踏まえて、脱衣所兼ランドリースペースという選択肢もあります。脱衣所兼用のランドリースペースは、洗濯導線が自然と整うため便利です。浴室からの湿気対策をしっかりして、ある程度の干すスペースを確保できるなら、ランドリースペースの検討も視野に入れてみましょう。よろしければ関連記事注文住宅の間取りで後悔?経験者から学ぶ失敗談を5つ紹介も併せてご覧ください。
4-3. 注文住宅の2階にランドリースペースをつくる
2階に「干すだけスペース」を作るのが多い傾向です。2帖ほどの日当たりの良い場所を引戸で仕切って、洗濯物を干す専用部屋にします。アイアンバーを1~2本ほど設置して、サーキュレーターと除湿機を併用すると室内でもきちんと乾きます。他人に洗濯物を見られる心配が少ないなどの利点があります。1階で洗濯したものを2階まで運ぶのが苦でなければ、選択肢の一つとなるでしょう。アイアンバーは色々なメーカーから発売されています。しかし、水を含んだ衣類は以外と重くなるもの。それなりに耐荷重のしっかりしたものをえらばなければなりません。また、洗濯物を干すのにちょうどいい高さかどうか、必ず確認してから取付けましょう。DAIKENのインテリハンガーは耐荷重が10キロで、U型とL型があるのでご参考までに。
4-4. 注文住宅 リビングから見えない部屋に物干しワイヤー
物干しワイヤーも人気ですね。梅雨時期や洗濯物が多い日は、使った後すぐ片付けられる物干しワイヤーも便利です。洗濯物を室内に干しているところが見えてしまうと、生活感が出てがっかり…という方にお勧めです。リビングから見えない位置の部屋や、扉の閉まる部屋に取り付けて上手に活用しましょう。
5. もし注文住宅でランドリールームをつくるなら
上記のことを踏まえて、ランドリールームをつくる際のポイントをお伝えします。家族構成にもよりますが、ランドリールームにはだいたい三〜四畳の広さが良いと言われています。通常、この中には洗濯機・乾燥機・室内物干しまたは物干しラック・アイロン・アイロン台・収納棚などを設けます。ランドリールームを設けることで、この洗濯からアイロン掛けをしてたたむまでの作業をこなせる魅力があります。
5-1.注文住宅のランドリールームを有効に使うためのポイント
・棚にはタオルや肌着類などの小物だけ収納:衣類すべては納まりません。最小限で毎日使うものだけを収納しましょう。
・ホコリが舞いやすいので棚に扉をつける:ランドリールームはホコリが出やすいところです。棚に重ねた洗濯後のタオルなどにホコリがつかないよう、なるべく扉付の棚か引出しにしまいましょう。
・洗濯機や乾燥機を入れる場所を決めておく:コンセントの位置が重要になってきます。
・コンセントの位置を確保する:電気を使用するものが多いランドリールーム。予め場所と何個設置するかシミュレーションしましょう。
・除湿機はパワフルなものを検討:壁取付型除湿機もあります。サーキュレーターと置型除湿機の併用も良いでしょう。
・こまめに清掃する:ホコリがたまりやすいランドリールーム。ホコリが舞わないようにこまめに掃除をしましょう。
・室内干し用竿の設置:色々な種類があり、取り外しできるアイアンタイプもあります。ハンガーにかけて干すことで高さが出るため、床置きの物干しラックより通しが良くなります。色々と見比べてみましょう。
・スロップシンクの設置:汚れのひどいものなど、浴室つづきでないとおっくうになってしまいます。スロップシンクがあれば、付け置きや予洗いに便利です。
・給排湿機能のついた天井材や壁紙を使用する:これだけでも湿度コントロールには役立ちます。ぜひ検討してみてください。
・洗濯物をたたむカウンターの設置:洗濯物が乾いたあと、他の部屋へ行って座って畳んで…ということにならないよう、カウンターを設置をしましょう。また、アイロンの作業台としても使用できます。
・使わなかった時のことも考える:色々やってみた結果、自分にはしっくりこなかったと感じる方もいるかもしれません。洗濯物を干す場所ではなくなった後のことも考えて、設計してみましょう。
6. まとめ
毎日の洗濯に関するランドリールームは、効率的な家事をサポートするための便利なスペースです。ですから、結論としては「作った方がいいのか」より「必要と感じるか」ということです。更にいうと、効率的な家事をサポートするための便利なスペースの選択肢の一部に過ぎないということです。また、脱衣所を兼ねたランドリースペースを大きめにする、衣類乾燥機などの設置、吸排湿性の天井材や吸湿性の壁紙などを貼るなど様々な改善策もあります。家族のライフスタイルや予算、メリットとデメリットがあることを念頭に置いて、注文住宅において設計するかじっくり検討してみましょう。
この記事がお役にたてたら幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。