冬の寒さ、結露、夏の暑さ、電気代の高騰…。そんな悩みを抱えている方も多いはず。今年度も注目されている「内窓(うちまど)」についてご存じの方も多いと思いますが、「内窓ってなに?」「つけたいけどよく分からない」という方もまた多いはず。この記事では内窓のお話から、設置するメリット・デメリット、そして2025年最新版の補助金制度「先進的窓リノベ2025事業」まで、わかりやすくお伝えしていきます。
1.内窓とは?
内窓とは、今ある窓の内側にもう1枚新しく窓を取りつけることを指します。室内側から見ると、窓が二重になっているような形になり、「二重窓」や「二重サッシ」とも呼ばれています。内窓をつけると、外気との間に空気の層が生まれ、それが断熱材のような役割を果たしてくれます。窓やドアなどの開口部の断熱性能を上げるだけで、住まいは一層快適なものに変わります。
2.内窓の種類
■ 素材
樹脂製:断熱性が高く、結露にも強いです。最も一般的でおすすめ。
アルミ製:軽量で価格は安価ですが、断熱性能はやや劣ります。
■ ガラスの種類
単板ガラス:1枚のガラス。安価ですが性能は低め。
複層ガラス(ペアガラス):2枚のガラスの間に空気やガスが入っています。断熱・遮音性は高いです。
Low-E複層ガラス:特殊な金属膜が施された高性能タイプ。より優れた断熱性能が期待できます。
3.内窓をつけるメリット
●冷暖房効率UPで電気代が下がる
冬の暖房、夏の冷房が逃げにくくなり、省エネ効果がアップします。
●結露の発生を抑える
ガラス面の温度差が減ることで、冬の結露が大幅に軽減されます。それによってカビの発生も抑えることができます。
●外の騒音を遮断
二重窓によって音が入りにくくなり、屋外の騒音を軽減することができます。
●防犯性の向上
二重のロックにより、空き巣対策にも効果が期待できます。
4.内窓のデメリット
●開け閉めが少し手間になる
二重になるため、換気時などは少し面倒に感じることもあります。
●設置できない窓もある
内側に十分なスペースがないと、取りつけられない場合があります。
●初期費用がかかる
施工費は自己負担となります。ですが、補助金を活用すれば負担を減らすことが可能です。
施工時間は?
1窓あたりの設置時間は1~2時間程度。一軒分(複数窓)でも半日~1日で完了することがほとんどです。騒音やホコリも最小限で済みます。
費用の目安
●小窓(トイレ・洗面所など):4万~6万円くらい
●腰高窓(ダイニング等):5万~8万円くらい
●大窓・掃き出し窓:8万~12万円くらい
これに、複層ガラスや防音ガラスを使用すると、金額はもっと上がります。※あくまで目安となりますので、詳細な金額については施工業者へ見積りを取ることをおすすめします。
更に補助金制度をうまく利用できれば、自己負担を減らすことができます。
【最新】補助金制度「先進的窓リノベ2025事業」
2025年現在、内窓リフォームに最も活用しやすいのが、国が実施している「先進的窓リノベ2025事業」です。これは、省エネ性能の高い窓にリフォームすることで、最大200万円まで補助が受けられる制度です。
対象となるのは?
事前に補助金を申請できる「窓リノベ事業者」に相談しましょう。補助金申請ができない事業者へ頼んでしまうと申請手続きができなくなってしまいます。また、下見をした上で取付けられる状態かどうかも確認しなければなりません。それを踏まえた上で対象となるのが、既存住宅において窓やドアを高断熱仕様にリフォームする場合と内窓設置、外窓交換、ガラス交換、ドア交換などです。
補助額の一例(内窓設置)
サイズ | Aグレード | Sグレード | SSグレード |
---|---|---|---|
小(〜1.6㎡) | 18,000円 | 30,000円 | 46,000円 |
中(1.6〜2.8㎡) | 28,000円 | 48,000円 | 72,000円 |
大(2.8㎡〜) | 40,000円 | 70,000円 | 106,000円 |
※性能が高いグレードほど補助額も大きくなります。
申請の流れ
1.対象製品の選定:性能基準を満たした製品か確認。
2.施工業者と契約:登録された事業者が手続き代行。
3.事前申請・交付決定
4.工事実施
5.実績報告・補助金振込
注意点
●事前申請が必須(工事着工前に補助金申請が必要)
●補助金額の合計が5万円以上で申請可能
●国で出している他の補助金制度との併用は不可
まとめ
内窓は、エネルギー効率と快適さを同時に手に入れるための優秀なリフォームアイテムです。また「先進的窓リノベ2025事業」は、制度の内容まで理解しようとすると難しいかもしれませんが、条件が合えばだれもが活用できる補助金制度です。補助金も効率よく活用して快適な毎日を手に入れましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。宜しければ関連記事「GX志向型住宅とは?基本から補助金まで詳しく解説!」も併せてお読みいただければ幸いです。