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注文住宅の豆知識

GX志向型住宅とは?基本から補助金まで詳しく解説!

現代社会において、環境問題は世界共通の大きな課題となっています。そこで注目されているのが、GX(グリーントランスフォーメーション)という概念です。GXとは、持続可能な社会を目指し、環境負荷を削減しつつ経済成長を実現する取り組みを指します。このGXの一環として、住宅のあり方も大きく変わろうとしています。それが「GX志向型住宅」です。この記事では、GX志向型住宅の必要性、メリットとデメリット、今後の展望、そして「子育てグリーン補助金制度」について、わかりやすく説明していきます。

1.GX志向型住宅はどうして必要?

GX志向型住宅

日本は、エネルギー(石油、石炭、天然ガス等)の多くを輸入に頼っています。また、家庭からのCO2排出量は全体の約15%を占めるとされており、住宅のエネルギー効率を向上させることが環境改善の重要な一歩となります。GX志向型住宅は、省エネ性能を高めることで、家庭のエネルギー消費を削減し、環境負荷を軽減することを目的としています。さらに、日本では少子高齢化が進んでおり、人口減少に伴い住宅ストックの見直しが急務となっています。これを機に、環境に配慮した住宅へとシフトすることが求められています。

2.カーボンニュートラルが地球温暖化を食い止めるのは本当?

GX志向型住宅

「脱炭素(カーボンニュートラル)は地球温暖化を促進する。原子力も危ないから止めよう。今すぐに再生可能なエネルギーに切り替えるべきだ。」現在はこういった時勢になっています。ですが温暖化の影響は本当にCO2が関係しているのか、実際のところ事実かウソかはわからないところです。温暖化で白クマがのる氷がないというニュースも審議は分かりませんが、実際は白クマの数は増えているそう。そんな中、ドイツが工業国であるにもかかわらずグリーン政策を強行した結果、原子力までも止めてしまいました。ですがウクライナからの天然ガスパイプが意図せず止まり、現実問題として再生可能エネルギーだけでは電力を賄うことができずにいます。カーボンニュートラルが本当に温暖化を食い止めているかはさておき、私たちはエネルギーのほとんどを海外に頼っているのが現状です。私たちに残された課題は、いかに家庭で効率よく「再生可能エネルギーの使いまわし」が出来るかにかかっているのです。

3.GX志向型住宅ってどんなもの?

GX志向型住宅

「GX志向型住宅」とは、高い断熱性能と高効率給湯器などの設備の導入により、限りある一次エネルギー消費量を削減し、太陽光発電など再生可能エネルギーを活用して一次エネルギー消費量の削減率100%以上を目指すZEHを上回る住宅です。一次エネルギーとは自然から直接採取できるエネルギーです。石油や石炭、天然ガス、水力、原子力、風力、地熱、太陽光などが該当します。この一次エネルギーは、転換や加工をして皆さんが利用できる二次エネルギーとなります。石油や天然ガスは一度使ってしまうと再生はできません。ですので、再生が可能な太陽エネルギーが注目されている訳です。GX志向型住宅として認定されるには、「断熱等性能等級6以上」「一次エネルギー消費量35%以上削減」「再生可能エネルギーを含む場合の削減率100%以上」といった3つの要件をクリアしなければいけません。その基準はZEHよりも高い省エネ性能を実現し、寒冷地でも効果的な性能を発揮できる基準でなければなりません。このように、クリアしなければならない基準が高く設定されることで、高効率な性能を担保した家となります。断熱性能等級の内容については「最大160万円補助!2025年度子育てグリーン住宅支援事業について解説」で詳しく説明していますので、こちらも併せてご覧ください。

4.GX志向型住宅がもたらすと言われているメリットとデメリット

4-1.GX志向型住宅のメリット

GX志向型住宅

・カーボンニュートラルで環境にもやさしく
太陽光発電や高性能断熱材の使用など、再生可能エネルギーや省エネ技術を採用することで、CO2排出量を大幅に削減できます。

・光熱費が軽減できる
光熱費が削減されるため、長期的に見て家計に優しいのが特徴です。特にエネルギー価格が高騰する現代において、この効果は大きいでしょう。

・体にやさしい快適な暮らし
高気密・高断熱の住宅は、冬場の寒さや結露を防ぎ、快適で健康的な住環境を提供します。

4-2.GX志向型住宅のデメリット

・初期コストが高い注文住宅の付帯工事費とは?高性能な設備や素材を導入するため、初期費用が従来の住宅よりも高額になることが予想されます。今後のライフステージも考えながら検討し、補助金制度も上手に活用しましょう。

・技術に依存する恐れがある

GX志向型住宅
最新技術を導入することで、小さなエラーで何も動かせなくなり、故障時の修理費用も高額になる可能性があります。また、技術進化のスピードが速いため、ハードウェアの設備等の進化が追い付かず、買い替えなども考慮する必要があります。最新のテクノロジーはすばらしいものですが、アナログの大切さも忘れないようにしましょう。

5.今後の展望は?

GX志向型住宅

日本政府は2050年までにカーボンニュートラルを達成する目標を掲げています。この目標達成のためには、GX志向型住宅の普及が欠かせません。現在、多くの自治体や企業が環境配慮型住宅の開発や導入を進めています。また、国や地方自治体による補助金や税制優遇措置も、普及を後押ししています。将来的には、住宅だけでなく地域全体をエネルギー効率化する「スマートコミュニティ」の概念も広がると期待されています。これには複数の家庭がエネルギーをシェアすることで、さらなる省エネ効果を生む仕組みなどが挙げられます。

5.子育てグリーン補助金制度を活用しよう!

子育てグリーン住宅支援事業

GX志向型住宅の普及を支援するため、2025年度予算に「子育てグリーン補助金制度」が設けられることが決定しています。詳細についてはまだ確定していませんが、GX志向型住宅は今までの日本の「スクラップアンドビルド(scrap and build)」の家づくりから、長期的に快適に住める住宅を未来へ残すためともいわれています。この補助金は「子育てグリーン補助金」という名の国交省の取り組みですが、GX志向型住宅に限っては新築を建てる子育て世帯だけではなく、基準を満たした全ての世帯についても補助金が受け取れる仕組みです。GX志向型住宅の基準を満たせば160万円の補助金が受けられることから、この制度は住宅購入のハードルを少しでも低くし、次世代に向けた環境意識づくりにもつながる重要な施策と言えるでしょう。

まとめ

 

GX志向型住宅

GX志向型住宅は、環境問題やエネルギー問題に対する有効な解決策の一つとして期待されています。初期費用が高いという課題はありますが、補助金制度の利用や長期的なコスト削減効果を考慮すれば、魅力的な選択肢のひとつとなることでしょう。地球温暖化とCO2削減の関連性に疑問を提唱する方もたくさんいらっしゃいますが、自国でのエネルギーに頼れない日本ではこの環境問題を注視しています。一人ひとりのカーボンニュートラルへの関心を高めることもカギとなっています。更に、未来のために長く快適に住める住宅を残すことが、私たちの使命のひとつだと考えます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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