2024年11月に閣議決定された2025年度「子育てグリーン住宅支援事業」は、省エネ性能の高い住宅の普及を目指すための新しい補助金制度です。この事業では、新築住宅の建設や省エネリフォームに対し、最大160万円もの補助が受けられる可能性があります。この記事では、子育てグリーン住宅支援事業の概要や特徴、補助金を受けるための条件についてわかりやすく解説します。
1.「子育てグリーン住宅支援事業」とは?
「子育てグリーン住宅支援事業」は、2050年カーボンニュートラル実現を目指し、省エネ性能の高い住宅を普及させるための補助金制度です。これまでの「こどもエコすまい支援事業」や「子育てエコホーム支援事業」の後継として、新築住宅や省エネリフォームを対象に、より高い省エネ基準を設けています。
2.補助金の最大額160万円!対象となる住宅「GX志向型住宅」とは
「GX志向型住宅」とは、省エネ性能を飛躍的に高めた「脱炭素志向型住宅」のことです。GXは「グリーントランスフォーメーション」の略で、化石燃料依存から太陽光発電などのクリーンエネルギーへの転換を目指す取り組みを表します。
2-1.GX志向型住宅の条件
●断熱性能:「断熱等性能等級6以上」
断熱等性能等級6とは、国土交通省が定める新築住宅の断熱性能の指標で、HEAT20のG2レベルの基準を満たす性能を指します。2022年10月に新設された等級水準です。断熱等性能等級6の住宅では、暖房をつけなくても室内の体感温度が地域区分によっておおむね13~15度を下回ることがほとんどありません。また、廊下やトイレなど暖房をつけない空間でもリビングと大きな温度差が生じにくくなります。断熱等性能等級は、室内の温度を外気に逃さない性能を数値化した「UA値」によって現れています。
●一次エネルギー消費量
・再生可能エネルギーを除いて35%以上削減
・再生可能エネルギーを含む場合は100%以上削減(ネット・ゼロ・エネルギーハウス[ZEH])
以上の基準を満たす必要があります。
一次エネルギー消費量とは、住宅や建築物で利用するエネルギーを熱量に換算した値で、省エネルギー性能を評価する指標のひとつです。冷暖房や換気、給湯、照明などの設備機器のエネルギー消費量を合計した値で、エネルギー利用の効率化設備による削減量も含まれます。住宅や建築物の省エネルギー性能を評価する指標として使用されます。数値が小さいほど省エネルギーの程度は大きく、省エネ基準に適合する住宅かを判断する際に使用されます。今回の基準により、高断熱窓や高性能な断熱材、太陽光発電設備が必須となります。太陽光発電の設置までの流れについてはこちらをご覧ください。※ただし、都市部の狭小住宅や6階以上のマンションでは再エネ設備の設置は必須ではありません。
再生可能エネルギーとは、太陽光や風力、地熱など自然界に常に存在するエネルギーです。また、化石燃料(石油、石炭、天然ガス)とは異なり、資源が枯渇せず、地球温暖化の原因となるCO2をほとんど排出しないため、環境にやさしいエネルギー源として注目されています。地球上どの地域でも持つ資源を活用できるため、すべての国がエネルギー産出国となれるというメリットもあります。
3.他の新築住宅とリフォームの場合の補助金
「GX志向型住宅」以外にも、新築住宅やリフォームも補助金の対象です。それぞれの条件と補助額は以下の通りです。
3-1.新築住宅の場合
●対象:子育て世帯(18歳未満の子どもがいる世帯)または若者夫婦世帯(夫婦のどちらかが39歳以下)
●補助額:
・長期優良住宅:建替えを伴う場合は100万円、建替えがない場合は80万円
・ZEH水準住宅:建替えを伴う場合は60万円、建替えがない場合は40万円
3-2.既存住宅のリフォームの場合:
省エネリフォームを行う際には、以下の2つのタイプがあります。
●Sタイプ(必須工事3種をすべて実施):補助額上限60万円
●Aタイプ(必須工事3種のうち2種を実施):補助額上限40万円
【補助対象工事の必須工事】とは
ここで言う補助対象の「必須工事」とは①開口部の断熱改修、②躯体の断熱改修、③エコ住宅設備の設置のことです。もっと詳しく説明すると、①開口部の断熱改修とは窓やドアなどの開口部を断熱材で改修する工事です。既存の窓やドアを取り除いて新しいものを設置したり、既存の窓に内窓を取り付ける工事をして断熱効果を高めます。お住まいの地域によって断熱の基準は変わります。②躯体の断熱改修とは躯体の断熱改修とは、断熱材を躯体に取り付けて熱の移動や伝達を遅らせることで、快適な住まい環境を実現するリフォームです断熱改修は、外張断熱改修、内断熱工法、外壁断熱工法などの種類があり、断熱改修を行う際は、既存の建物の構造や劣化状況、断熱性能などを調査した上で、適切な断熱処理を施さなければなりません。③エコ住宅設備には、高効率給湯器と呼ばれるヒートポンプ給湯機(エコキュート)やユニットバス、蓄電池などが該当します。基準が細かく決められているので、補助金の対象になるかを確認しましょう。
【補助対象工事の附帯工事】とは
補助対象の附帯工事としては「子育て対応改修、バリアフリー改修等」があります。この場合、補助対象となるのは「必須工事」を行う場合に限ることが前提です。また、連携事業のうち、環境省事業は必須工事①、経済産業省事業は必須工事③として扱うとされています。例えばユニットバスを取り付けた場合、廊下の幅を広げる工事などが該当します。
4.他の補助金制度との併用
この制度は、3省(国交省・環境省・経産省)連携の補助事業となっています。また、地方公共団体の補助制度については、国費が充当されているものを除き併用可能となっています。お住まいの自治体やお家を建てる建築会社へ相談してみましょう。
5. 補助金を受ける際の注意点
「子育てグリーン住宅支援事業」で補助を受けるためには、いくつかの重要な条件があります。
・工事の着手時期:2024年11月22日以降に工事を開始した住宅が対象となります。
・登録事業者による施工:工事や販売を行う事業者が、国の登録を受けている必要があります。あおい創建もこの認可を受けておりますのでご安心ください。
6. まとめ
「子育てグリーン住宅支援事業」は、2050年のカーボンニュートラルを目指す日本にとって重要な政策の一環です。特に省エネや性能の高い住宅を建てる、またはリフォームをする場合、補助金は大きな助けになることでしょう。子育てグリーン住宅支援事業の補助金をしっかり活用して、快適な住まいづくりを目指しましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。
出典:国土交通省 子育てグリーン住宅支援事業について