中古物件を購入した際に、庭に木が植えてあることはよくあることだと思います。日本には八百万の神がおり、全てのものには神が宿っているという考えが古くからあります。ですから、庭の木の手入れをするのは問題ないけど、切ってしまうにためらいを感じる方も少なくありません。この記事では、そういった残された木についての処分やつきあい方についてお伝えしていきます。
1.中古物件の庭の木 切っても大丈夫?
結論から言いますと、気にされない方は大丈夫です。家を建てる際も木造であれば沢山の木をつかうことでしょう。それらの由来をひとつひとつ追って行ってもきりがないように、木はあくまでも植物のひとつとしてとらえる方も多いのではないでしょうか。しかし、もし気になるようでしたら、次の項へ読み進めていただければと思います。
2.庭の木を切る時のお祓いは適切に
木を切ってしてしまうのは気分的にあまりいい気がしないと感じる方は、お寺や神社へ依頼してお祓いをしてもらうと良いでしょう。
3.庭の木を切ると不幸になる?
これは昔からの言い伝えで、木を切った際に起こった事故や、防風林として植栽されていたものを撤去したことで生じる防風や日差しの変化など、物理的なものに起因しているケースもあるでしょう。そういったことが代々言い伝えられてきたからかもしれません。「気を切る」=「気を断ち切る」ということに掛けて縁起が悪いような気がするといったこともあります。また、風水的なバランスが崩れるといった見解もあるようです。では、庭に植えてある木にはどんなものがあるのかお伝えしていきましょう。
3-1.枯れている木
この場合は、すぐに撤去しましょう。物理的にケガや倒壊の恐れもあります。風水では悪い気を吸ってくれたものと捉えられ、縁起が悪いものではないとされています。ただし、枯れた木を放置しておくことは風水では死を意味し、不運や邪気を引き寄せると考えられるようです。根の部分も忘れずに撤去しましょう。
3-2.防風用の木
家を風や強い日差しから守ってくれる役割をしています。そのままにしておくことで大きな問題がなければ切らない選択もあります。外構工事などでどうしても切る必要がある場合はお祓いをお願いしましょう。
3-3.年季の入った木
樹齢が百年を超える木の場合、強い神様が宿っているとされています。枯れておらず元気な木でしたらそのままにしておくことも良いでしょう。この木についても切るのでしたらお祓いをしたほうが良いとされています。但し、伐採や伐根の難易度が高く、金額も高くなるでしょう。
3-4.縁起のいい木
南天などは「難を転じる」に掛けられ、縁起のよい木とされています。また、常緑樹の松は、一年中緑の葉をつけ寿命も長いことから「不老長寿」の木として有名です。これらの縁起の良い木は切ることに引け目を感じる方が多いようです。可能であれば、そのまま手入れをして植えたままにしておくと良いでしょう。
3-5.記念に植えられた樹
よく、子供が生まれたら健康に育つようにと願掛けで植樹をする習慣があったというお話を耳にします。家を建てた記念樹もあるでしょう。切ろうとしている木が、実はそんな願いを込められて植樹された場合があります。由来が分るような何かが残っているときは、切る場合はお祓いをしましょう。
3-6.ご神木として祀られている木
通常敷地内にあることはあまりないと思いますが、しめ縄で飾られたものがある場合、過去に何かが起きた際の不幸を鎮めるために植えた可能性もあります。また、根をはって地すべりなどから守ってくれていることもあります。伐採せずとも住む場合は、そのままにしておくのが無難です。
4.木を切ってはいけない日がある
古くからの暦の言い伝えで、「土用の日」と「つちの日」は、土いじりをしてはいけない日とされています。立木伐採カレンダーというものをご存じでしょうか。この暦によると、縁起が悪いと言われるには理由があります。この時期に木を切ると虫が入り易く、腐りやすいからです。参考:静岡県森林組合連合会立木伐採カレンダー
5.庭木を切らない方法
ここでは、木を切ることに抵抗があるといった方に、木を切らずにすむ方法をお伝えしていきます。
5-1.庭木と共存する
移動する必要がない元気な木は、そのまま共存して手入れしていくのも良いでしょう。丁寧に扱えばきっと新しい家主も守り続けてくれます。
但し、下記の場合は手入れが負担になる場合があります。
・落葉樹:落ち葉の掃除が大変なことがあります。
・実をつける果実:落下した果実が外構を汚すことがあります。また、動物による被害もないとは言えません。
・虫の付きやすい木:例えば桜の木は花を楽しめますが毛虫が付きやすく手入れが大変です。
・スギやハイノキ:花粉症の方には症状が悪化する可能性があります
など、手入れを負担に感じたり健康にかかわることがある場合は伐採することも見当にいれましょう。
5-2.庭木を移植してあげる
木を切らずに済む方法として、移植をするという方法もあります。その木が縁起の良い木でしたら、場所を移して手入れをしてあげることも一つの方法です。
5-3.庭木のある家は購入しない
中古物件の購入を検討している際は、外構工事などのリフォームも視野に入れましょう。縁起の良し悪しもあるかもしれませんが、木の伐採や伐根までの金額も考慮しなければなりません。購入する前に下見をして、イメージを膨らませておくと良いでしょう。
6.庭の切った木を放置しない
切ったあとの木は、放置せずに片付けましょう。これは枯れた木と一緒の扱いとなります。植木屋または業者へ依頼して、持って行ってもらいましょう。切ったあとの切株も撤去も必要です。また、土地の清掃を常に心がけることで、良い気を呼ぶとされています。
7.お清め・お祓いの依頼料
結び切りの水引がついたのし袋に「初穂料」としてお渡しするのが基本です。祈祷料についてはお祓いされる方に事前にご相談しましょう。
8.ご自身でできる庭木のお祓い
これは個人差があるので、気休め程度かもしれませんが行ったほうが良しとされています。自分でお清めをする場合は「塩」と「清酒」を用意します。「塩」「清酒」を木の四方にまいたら、手を合わせて樹木に対して感謝を捧げましょう。それで終わりです。
9.庭木を伐採する際は
基本的に、植木屋さんへお願いするのが一番です。細い木でご自身で切るのでしたら、安全装備をきちんとして、伐採する木をロープで固定してから行いましょう。ケガや事故にならないように万全の体制で行ってください。
まとめ
いかがでしたか?木にも神様が宿っていて、家を守ってくれている存在であるという言い伝えがありますが、それと共に時代も変化していっています。何よりも気にしないことが一番良いことかもしれません。家や土地のお祓いをするかしないかと同じように、木を切るということもご自身次第なのです。しかし、いにしえからつづく日本の風習のひとつとして、敷地内にある木の話も現代では必要なのかもしれないと考えます。更に木を切ることに悩むと同時に、伐採して伐根、処分までの費用はとても高くなります。はじめから中古住宅を購入する際に外構工事まで視野に入れて、木がある場合どうするかといった判断材料のひとつとなれば幸いです。宜しければ関連記事「中古物件のお祓いは必要?」も併せてお読みください。
最後までお読みいただきありがとうございました。