旅行や帰省、長期出張などで、数日から一週間以上にわたり自宅を空ける方もいらっしゃるでしょう。しかし、不在中の住まいには、さまざまなリスクが潜んでいます。帰宅後に不快な思いやトラブルに見舞われることのないよう、おでかけ前には適切な準備と確認が必要です。この記事では、長期間自宅を空ける際に行っておくべき基本的な「8つのポイント」をお伝えしていきます。
1.ゴミ出しと冷蔵庫の整理
最も基本的かつ重要な対策が、室内のゴミの処理と冷蔵庫の整理です。不在中に生ゴミを残しておくと、悪臭や虫の発生、カビの原因になることがあります。特に夏場は、1〜2日放置しただけでも室内環境に大きな影響を及ぼすため、早めの処理が求められます。やっておきたいポイントをお伝えしていきましょう。
・不在前の最終的なゴミ収集日を把握し、可燃ごみ、不燃ごみ、資源ごみを適切に処理する。
・食べきれない食材は処分、または冷凍保存する。
・常温で置いている食材や、フルーツや野菜などもチェックしておく。
・冷蔵庫内の賞味期限の近い食品、液漏れしやすい調味料類(開封済みのソース・ドレッシングなど)も整理する。
・出発の前日または当日に、生ゴミを含めてすべてのゴミを出す。
さらに、冷蔵庫の内部を簡単に拭き、脱臭剤の交換も併せて行うと、帰宅後に清潔な状態を保てます。
2.電気製品の電源オフとコンセント
使用していない電気製品の電源管理も忘れずに行っておきましょう。長期間使わない家電製品は、コンセントを抜いておくことで、待機電力の削減だけでなく、火災や雷による故障のリスクも回避できます。コンセントを抜いておくと良い電化製品をお伝えしていきます。
・テレビ、DVDプレーヤー、パソコン、ゲーム機、プリンターなどの情報機器
・電子レンジ、炊飯器、電気ポットなどの調理家電
・コードレス掃除機などのお掃除家電
・美容家電(ドライヤー、スチーマー等)
・スマホやタブレットなどの充電機器
ただし、冷蔵庫に冷蔵品が入っている場合や、防犯カメラ・夜間照明など通電を必要とする機器については、電源を落とさずそのままにしておきましょう。家全体のブレーカーを落とす場合は、冷蔵庫の使用状況やセキュリティによって判断する必要があります。
3.水まわりのチェックと元栓の管理
水道関連のトラブルも、不在中に発生すると深刻な被害につながることがあります。配管からの水漏れ、洗濯機ホースの外れ、トイレの水の蒸発など、放置すれば大変な事態になりかねません。水回りの確認事項を挙げてみましょう。
・洗濯機の給水・排水ホースがしっかり接続されているか確認しておきましょう。
・お風呂やシンクの排水口にはフタをしておくと、悪臭や虫の侵入を防ぐことができます。
・トイレの便器の水が蒸発して臭気が上がってこないよう、ラップなどで便器を覆っておきましょう。
・必要に応じて、家全体の水道の元栓を締めておきましょう。特に1週間以上の不在や冬季の凍結が懸念される地域では有効です。詳しくは「水道管が破裂?大事なおうちの水回り凍結防止策と保護方法3選」も併せてご覧ください。
水道の元栓は、建物の外壁付近やメーターボックス内にあることが多く、場所が分からない場合は事前に確認しておくと安心です。盗水にも気をつけましょう。
4.防犯対策の徹底
不在中の空き巣被害は、都市部・地方を問わず発生しています。住まいに人がいないことが明らかになると、犯罪の標的になりやすくなります。次の対応策を参考にしてみてください。
・郵便物や新聞の配達停止を申し込む(郵便局・新聞社ともに一時停止サービスあり)。
・カーテンは全て閉め切らず、一部の部屋に自然光が入るように調整する。
・タイマー付きの照明を活用し、毎晩決まった時間に点灯する設定を行う。
・センサーライトや防犯カメラがある場合は作動状況を確認。
・SNSでの「旅行中です」などの投稿は控える(留守であることを第三者に知らせることになりかねません)。
また、戸建て住宅では、庭先の雑草の手入れや郵便受けの整理など、“人の気配”を保つ工夫が有効です。
5.湿気・カビ対策
季節や地域によっては、不在中の湿気が家財や建物にダメージを与えることもあります。特に梅雨〜夏場は、締め切った家屋内に湿気がこもりやすく、カビの発生リスクが高まります。カビの発生リスクを抑えるため、次の方法を参考にしてください。
・クローゼットや押入れの扉を少しだけ開けて、空気の流れを確保する。
・除湿剤や新聞紙などを、湿気がこもりやすい場所に配置しておく。
・浴室やトイレの換気扇を、タイマーまたは連続運転モードで稼働させる。
・エアコンのドライモードをタイマーで上手に活用する。
また、帰宅後には早めに窓を開け、全室の換気を行うと、室内の空気がリフレッシュされ快適に戻れます。
6.冷蔵庫・冷凍庫の管理
先に述べた通り冷蔵庫の電源を抜かない場合は、冷蔵庫内の管理は出発前にしっかり行っておくと良いでしょう。
・消費しきれなかった食材は、冷凍するか前日までにゴミへ出しておく
・製氷機の水タンクは空にし、製氷機能を停止する
・ドアポケットの液体調味料やジャム類なども整理し、必要なものは密閉容器へ入れる
また、長期にわたって家を空ける場合は、庫内を空にしてブレーカーごと落とすという選択肢もあります。
7.ご近所へ一言伝えておく
非常時の備えとして、近隣住民との連携も大切です。信頼できるご近所の方がいれば、出発前に一言伝えておくことで万が一の際にも対応がしやすくなります。伝えておくと良い内容は次のようなものになります。参考にしてみてください。
・留守にする期間を伝えておく(〇日から〇日まで家を空けます等)
・緊急時の連絡先を伝えておく(携帯番号、家族の連絡先など)
・郵便物や荷物が届いた際の対応について(放置してよいか、預かってもらうか)
また、自治体によっては地域の見守り活動や、防犯巡回が行われていることもあるため、そうした活動の資源も活用すると安心です。
8.その他留意しておくべきこと
ご家庭や住まいによって、それぞれ留守の間に気を付けたいことは様々あると思います。前述した基本的な備え以外にも、それぞれご自身で留守の家を守る対策を講じておきましょう。次に挙げる項目も当てはまる方は見逃せないものです。
8-1.ペットの世話
ペットを一緒に連れていけない場合は、慣れているご友人にお願いしたり、ペットホテル・ペットシッターを利用しましょう。魚などを飼っている場合はフードタイマーやエアーポンプの状態などを必ず点検しましょう。
8-2.植物のお手入れ
ご近所づきあいが濃ければ、庭の水やりをお願いしたりもできるでしょう。鉢植えなどは日のあたらないところへ避難させてビニールをかぶせておくと水の蒸発を遅らせることができます。ホームセンターなどに売っている自動で水を与えてくれる機械や、ペットボトルで自作の水やり装置などを作っておくのもひとつの案です。
まとめ
住まいを数日~長期間空ける前の対策は、万が一にそなえてやっておくと安心です。今回ごお伝えした「おでかけ前の住まいの備え」は、いずれも簡単に出来ることばかりです。しかし、事前にやっておくと不在中のお家のトラブルを大幅に防ぐことができます。ぜひ、ご家庭ごとにアレンジしながら取り入れてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。宜しければ関連記事「注文住宅の防犯対策は建てる前が肝心?気になる住まいの防犯対策を徹底解説!」も併せてご覧いただけますと幸いです。