近年、中古住宅を購入して、リフォームやリノベーションを行う方が年々増えています。あおい創建でも「空き家問題」を解決する手段として、補助金を活用して住宅の性能を担保したリノベーションも行っております。こういった需要のなか、中古物件を購入して新しい生活を始める前に「お祓い」をしたほうが良いのかどうか、お気持ち的に悩む方も多いでしょう。前提として、個々の信教とは別に日本ではそういった考え方があるということでのお話となりますが、購入した中古物件には、神棚やお仏壇がそのまま残った状態のままでお引渡しになる場合もあります。気にならない方にとっては何も問題ありません。一方で、前の住人がどういう経緯で家を手放したのか、どんな暮らしぶりだったのかなど不安に思う方もいらっしゃると思います。ここでは、中古物件のお祓いについての考え方や、実際にお祓いを行う場合の手順について触れていきます。
以下がこの記事の目次となります。それでは、順番にお伝えしていきましょう。
0.事故物件なら告知義務があるのですぐわかる
もし仮にあなたが気になっている中古物件が事故物件かも知れない、という不安があるなら心配はいりません。なぜなら、物件を取り扱っている管理者や管理業者に対して事故物件の告知義務があるからです。たとえば、以下のような場合に告知義務が発生します。
・自殺、他殺、事故による死亡
・災害による死
・孤独死
・死因が分からない不明死
しかし、管理側で伝え漏れが起こる場合もあるので、ご自身で事故物件ではないことを聞いて確認するようにしましょう。
1.中古物件のお祓いはしたほうがいい?
結論から言うと、何もしなくても大丈夫です。これはご自身の気持ちや慣習の問題であり、宗教的な問題ではないからです。お祓いをしないからといって必ずしも悪いことが起こるわけではありません。気持ちをリセットし、心を落ち着かせたい場合の手段の一つです。一方で、日本では、新しい家に引っ越す際に家の清めを行うことが伝統的な習慣として根付いています。特に中古物件の場合、前の住人の「気」やエネルギーをリセットする意味でも、お祓いをする人が一定数いらっしゃいます。
1-1.お祓いをするorしないの判断はご自身で
お祓いを行うかどうかは、最終的にはご自身や親族の信仰心に委ねられます。「特に気にしていない」「費用をかけたくない」と思う方は、お祓いを行わない選択も全く問題ありません。逆に、「前の住人の気が残っているかも」「何か悪いことが起きたら?」と心配であれば、神社やお寺にお願いしてお祓いをするのも一つの選択です。日本には古来より八百万の神がいると信じられています。お祓いやお清めは、これから住まわれる家に対し、「どうぞ宜しくお願いします」とご挨拶をする意味も込められています。大切なのは、新しい家で気持ちよく暮らせることです。
1-2.お祓いをするなら入居前に
もしお祓いをすることを決めた場合、物件に引っ越す前に行うのが理想的です。リフォームやリノベーションをする場合も同様です。新しい家具を配置した後や、生活が始まってからよりも、何もない状態でお祓いをすることで、より効果的に空間を清めることができるとされています。
2.中古物件のお祓いをする場合
お祓いは「家祓い(いえはらい)」とも呼ばれ、特定の宗教や信仰に基づいて行われることが一般的です。神道では神主に、仏教では僧侶にお願いすることが多く、地域によって習慣や作法が異なる場合もあります。
2-1.どこに頼めばいい?
お祓いを依頼する場合、最も一般的なのは神社にお願いすることです。地元の神社や、家の近くの大きな神社に連絡してみると良いでしょう。多くの神社では「地鎮祭」や「家祓い」といった儀式を日常的に行っており、中古物件に限らず、新築やリフォーム後の物件に対してもお祓いを行っています。
仏教的な儀式を希望する場合は、お寺に依頼することも可能です。お寺に相談すれば、家に合った供養や清めの方法を提案してもらえるでしょう。
2-2.準備するものは?
お祓いを依頼する際に、用意しておくものがある場合もありますが、通常は神社やお寺の指示に従えば問題ありません。神主やお坊さんが、必要な道具を持参してくれることがほとんどです。相談する際に聞いてみましょう。
2-3.お金はいくら用意する?
お祓いの費用は、依頼する場所や内容によって異なります。一般的には1万円から5万円程度が相場といわれています。神社によっては「初穂料(はつほりょう)」として明確な金額を提示しているところもあるため、事前に問い合わせて確認しておきましょう。お寺の場合も、志としての供養料が必要となりますので、こちらも事前に確認することをおすすめします。
2-4.自分でお祓いはできる?
ご自身でも簡素なお祓いやお清めを行うことで、気分をすっきりさせたいという方もいらっしゃるでしょう。簡単な方法としては、家の四隅や部屋ごとに塩や酒を撒いて清める「塩まき」や、「お線香」「お清めの水」を使って空間を浄化する方法があるようです。ただし、自己流では不安が残る方は神社やお寺へお願いしましょう。
2-5.神棚はどうすべき?
こちらもご自身のお気持ちによるところが大きいので、気にされない方は何もしなくても良いのです。もし気になるようでしたら、残っている神棚の魂抜きをお願いしましょう。新しい神様をお祀りする場合は、棚板も変えた方が良いでしょう。前の神棚に祀ってあったものや取り替えた神棚は、神社へ相談の上適切に処分しましょう。
3.中古物件のお仏壇
中古物件には、時折お仏壇がそのまま残されていることがあります。これも、これからお住まいになる方のお気持ち次第なので、気にならない方はそのまま処分することもあります。きちんと処分したいという方は、家の先祖や仏様を祀る神聖なものとされていますので、適切に扱いましょう。
3-1.お仏壇の本体と中身が残っている場合は?
お仏壇がそのまま残っている場合、特に中身(位牌や遺影など)が含まれている場合には、菩提寺(家が長年お付き合いしているお寺)などを調べ、供養してもらいましょう。お仏壇の中身(仏像・掛け軸・位牌・遺影写真・過去帳)などは、供養していただいた後お焚き上げをしていただくのが一般的です。
3-2.お仏壇の処分の仕方
昨今ではお仏壇の引き取りは、お寺ではしてもらえないケースがほとんどです。お仏壇だけでしたら、魂抜きをした後に市町村に依頼するか、ご自分で解体してゴミとして処分する方法があります。ですが最近では、ネットでご供養の依頼をしたり、供養じまい業者を活用する例もあるようです。ご依頼をされる場合は、口コミや評価などを必ず確認して、悪質な業者に騙されることのないようくれぐれも気を付けてください。いずれにしても、供養されるお気持ちがある場合は、処分前にお祓いやお清めを行いましょう。
4.まとめ
今回は、家のお祓い、神棚のお祓い、お仏壇のお祓いの3種類についてお伝えしてきました。お祓いやお清めは、やらなければならないものではありません。ご自身の考え方次第です。現在では神棚やお仏壇を家に置かない方が増えているため、家のお祓いだけされるだけでも良いと思います。新しい生活をスタートさせる区切りとして、お祓いによって心や家を清められても良いでしょう。きちんとしたお祓いやお清めをお願いするなら、費用や準備するものなどを事前に確認し、スムーズに儀式を進めましょう。そのあと新しい神棚やお仏壇を置くと、気持ち的にもすっきりできると思います。よろしければ関連記事「注文住宅の上棟式は行うべき?現代の傾向と実情」も併せてご覧ください。
最後まで読んでくださりありがとうございました。