新築を建てる際の土地選びは、家を建てるための最初の大きなステップであり、将来的な生活の質に大きく影響を与えます。土地は一度購入すると簡単に変更できるものではなく、立地や環境、交通の利便性など、さまざまな要素を慎重に考慮する必要があります。この記事では、土地の選び方のポイントや注意点、さらには将来の価値を保つ方法を詳しくお伝えしていきます。
1.土地の立地条件が良いか
土地選びにおいて最も重要なのが「立地」です。立地は、日常生活に必要な商業施設や公共施設との距離、周囲の環境などに大きく左右されます。
1-1.交通の便が良いか
最寄りの駅やバス停からの距離は、通勤や通学を考えると重要な要素です。移動がスムーズな場所を選ぶことで、時間の節約にもなります。また、今後の発展が期待できる交通インフラの整備を考慮することも大切です。
1-2.生活の利便性
スーパーや病院、教育機関など、日常的に利用する施設が近くにあると便利です。特にお子さんのいる家庭は、学校までの距離や治安も気にかける必要があります。利便性の高い立地は、将来的にも価値が根付くことが多いです。
1-3.自然環境
周囲の自然環境も考慮してみてください。公園や緑地が近くにあると、家族でのレクリエーションや散歩を楽しむことができます。また、山や海、川などの自然も身近に感じられる場所は、心身に良い影響を与えるでしょう。
2. 土地の形状と広さ
土地の形状や広さも、新築を建てる際の重要な要素です。土地の形によって家の方角を替えなければならなかったり、採光するのが難しかったりします。
2-1.土地の形
長方形や正方形など、建物を建てやすい形の土地を選ぶことが重要です。形が不規則な土地では、建物を有効に配置できない場合があり、思わぬ制約を受けることがあります。
2-2.土地の広さ
家族構成やライフスタイルに応じて必要な広さを考えましょう。土地の広さギリギリまで家を建てることはできません。また、庭や駐車スペースなどの余裕も必要です。他の家と隣接している場合は、プライバシーの確保も重要です。
2-3.日当たりの良さ
日当たりが悪いと、採光ができず家の中が暗くなってしまいます。またジメジメした環境でカビが発生しやすくなり、家自体の寿命も縮ませることになります。また、太陽光発電をお考えの方には不向きです。日差しは健康にも大切な要素ですので、日当たりの良い土地を選ぶと良いでしょう。
3. 地盤と土壌
土地の地盤や土壌の状態は、家の安全性に大きく影響を与えます。
3-1.地盤の強度
地震の多い日本では、地盤の強さが特に重要です。地盤調査を行い、適切な建築基準を満たすことができる土地を選ぶことが求められます。また、洪水による浸水や土砂災害などのリスクも考慮し、安全な土地を選ぶことが不可欠です。海や川などが近い地域は、以前水害があったかどうかを調べることも大切です。
3-2.土壌の質
土壌の質や種類も家の基礎工事に関わります。湿気が多い土地や水はけが悪い場合、地盤改良などをして、基礎工事に工夫が必要となることがあります。事前に下見をすることも大切です。
4. 周辺環境と地域の発展性
購入を考えている土地の周辺環境や地域の発展性も、選定の大きなポイントです。
4-1.周囲の住環境
住宅は静かな環境が好まれることが多いですが、周囲が商業施設などで賑わっている場合、生活が便利になる一方で騒音などのストレスを感じることもあります。また、ご近所に厄介な事が潜んでいる可能性もあります。土地の下見をする際にそれとなくご近所の方に話を聞いてみるのも良いでしょう。結局は自分のライフスタイルに合った環境を選ぶことが重要なのです。
4-2.将来の発展性
区画整理などが行われている地域や、再開発の計画がある場所は、将来的に土地の価値が上がる可能性があります。地域の発展性にも目を向け、将来にわたって安心して住める土地選びを心がけましょう。
5. コストと経済的視点
土地選びにおいて、コストも無視できない要素です。建物の費用や付帯工事費、今後の維持費などご自身でバランスを見る必要があります。
5-1.土地の購入価格
土地の購入価格は、住環境や立地によってさまざまです。ご自身の予算に合った土地を選ぶことが求められますが、価格が安い土地には何かしらの理由があることもあります。信頼できる不動産業者や、家の購入を検討している工務店などに相談するのも良いでしょう。
5-2.固定資産税の見込み
将来的な固定資産税の予測も重要です。土地の価値が上がれば、税金も増える可能性がありますので、地元の税制や地域の発展戦略を考慮しておくと良いでしょう。地域の発展戦略とは、地域内の資源を活用して地域の経済を活性化し、地域の魅力を高めるための取り組みのことです。例えば、地元の食材や歴史を活かした地域イベントなどのことを指します。また固定資産税が高くなったとしても資産価値は上がっていれば、住み替えなどで売る際に土地が高値で売却できる場合もあります。
6. 法規制の確認
土地選びでは法規制や条例についても確認が必要です。ご自身で調べるのが難しい場合は、専門家に相談してみましょう。
6-1.土地の利用計画
地方公共団体が地域の実情によって指定している土地利用計画というものがあります。この予定により、建物の高さや面積に制限がある場合があります。建築基準法や都市計画法についても把握しておくことをお勧めします。土地利用計画について詳しくお知りになりたい方は、国土交通省HPに概要が掲載されています。
6-2.近隣にある工場や工業施設
周囲の土地利用状況を確認し、将来的な住環境への影響を考慮することも必要です。例えば、近くに工場がある、または建設される計画があれば、騒音や匂いが気になり悩みの種になりかねません。事前になるべく情報のアンテナをはっておくことが大切です。
7. プロの意見を取り入れる
土地選びは、慎重に進めなければなりません。ですから、専門家のサポートを受けることも必要になってきます。
7-1.不動産業者
地元の信頼できる不動産業者を見つけておきましょう。不動産会社に相談することで、適切な土地を見つけやすくなります。不動産業者には膨大なネットワークがあり地域の様々な情報を多く持っているため、どのような土地が自分のニーズに合っているかアドバイスを受けることができます。
7-2.ハウスメーカーやプロの調査士
建てるハウスメーカーや工務店が決まっているなら、そこを通してプロのアドバイスをもらうことができます。解体費用がかかる土地や、地盤改良が必要な土地はそれだけで土地代金にプラスαになるので、土地購入前に家のプロの意見を聞いてみることが大切です。これをするだけで、土地購入後の予想外のトラブルを避けることができるでしょう。
まとめ
新築を建てるための土地選びは、将来的な生活の質や家の価値に直結する重要な決断です。立地や周辺環境、地盤、コスト、法規制など、多岐にわたる要素をしっかりと考慮し、自分と家族にとって最適な土地を選ぶことが求められます。また、必要に応じて専門家の意見を取り入れながら、慎重に検討を進めましょう。これらのポイントをふまえ、理想の新しい住まいをしっかりと支えてくれる土地を見つけてください。ご自身の新築に向けた第一歩が順調に進むことを願っています。宜しければ関連記事「その土地に家をたてられますか?実は家が建てられない土地6選とその解決法とは」も併せてご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。