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注文住宅の付帯工事費って何?見逃してはいけない費用3選!

注文住宅を建てるとき、皆さんは「建物の本体価格」に注目しがちではないでしょうか。しかし、本体価格(本体工事)に含まれない「付帯工事費」と呼ばれる費用があり、注文住宅総工事費のおよそ2~3割を占めると言われています。この費用を前もって理解しておかないと、最終的な予算が大幅にオーバーする可能性があります。今回は注文住宅の「付帯工事費」スポットをあて、わかりやすく解説していきます。

1.注文住宅の本体工事と付帯工事費とは

注文住宅の付帯工事とは

注文住宅の本体工事と付帯工事は建設工事費を区分したもので、本体工事は建物本体そのものの工事、付帯工事は建物本体以外の工事です。本体工事には、基礎工事や外装、内装、屋根の仕上げなどの工事、構造体や仕上げ、設備工事などが含まれます。一方、付帯工事には、地盤改良、外構工事、給排水工事、空調工事、カーテンの設置費用などが含まれます。付帯工事を大きく分けると①土地整備費用 ②本体工事以外のインフラ整備費用 ③外構工事費用の3つが挙げられます。付帯工事費は、注文住宅の建物を建てるだけでなく、「その注文住宅を安全に、快適に住める状態にするための工事費用」です。付帯工事費は、本体工事費の約2割程度(解体を含む場合は約3割程度)が目安とされています。

2. ①土地整備費用:注文住宅を支える地盤を準備する費用

注文住宅を建てる土地の状態は家づくりの一番大切なところといっても過言ではないでしょう。基礎を築ける状態まで土地を整える費用について、お伝えしていきましょう。

2-1.地盤調査と改良工事

注文住宅を建てる土地が、建物の重さを支えられる地盤かどうかを調べることが必要です。これを「地盤調査」といいます。調査の結果、地盤が弱い場合には「地盤改良」といって、土地を強化する工事が必要になります。また、費用は建坪や工法、土地の状態などで変わります。

・地盤調査費

注文住宅の地盤工事

地盤調査費は、土地を調べるための費用で、機械を使って土の硬さや状態を測定します。この調査を終えることで、地盤改良の方法と金額がだいたいわかります。ここでは3種類の方法をご紹介しますが、通常の住宅ではボーリング調査まではしません。この方法の場合、金額はおおよそ下記の通りです。
・スウェーデン式サウンディング試験:5万円程度
・表面波探査法:10万円程度
・ボーリング調査:15~70万円程度

・地盤改良費

注文住宅の地盤改良

地盤が柔らかい場合、建物が傾いたり沈んだりするのを防ぐために土地を強化します。方法は様々ありますが、以下の工法が挙げられます。目安として参考にしてください。
・表層改良工法:30~50万円程度
・柱状改良工法:50~80万円程度
・鋼管杭工法:100~180万円程度
・柱状改良の坪単価相場:3〜5万円程度 (40坪の費用相場は80〜150万円程度)
・土台上げ工法:100万~200万円程度(基礎から持ち上げる場合は約200万~600万円程度)

・土地を平らにする造成工事

注文住宅の造成工事

土地が斜めになっている場合や、高低差がある場合は、建物を建てやすくするために土地を平らにする工事が必要です。これを「造成工事」といいます。造成工事は土を削ったり盛ったりして土地を平らにしていきます。そのため、土を運ぶ費用や重機を使う費用がかかります。造成工事費は、目安として50万~300万円程度かかることもあります。

3. ②本体工事以外のインフラ整備費用

注文住宅ライフライン

注文住宅に上下水道やガス、電気などのライフラインを整備する工事です。これは通常本体工事に入りますが、本体工事以外の部分の上下水道、ガスのインフラ工事がこれに当たります。住宅本体から離れている場所の水栓や、物置に電気をつけたりする工事がこれにあたります。

3-1.水道や下水道の工事

注文住宅の上下水道引込工事付帯工事

建物本体から離れた場所で水を使うためには、水道管をつなぐ工事が必要です。また、使った水を流すための排水管も必要です。これらを整える工事が「上下水道引込工事」です。

3-2.電気工事

家からどのくらい離れているかによります。引込ポールを使用する場合はコンクリート補強工事が必要となってきます。

4. ③注文住宅の外構工事費:家の周りを整える工事

注文住宅の外構

外構工事とは、家の外側を整える工事のことでエクステリア工事とも呼ばれます。フェンスや駐車場、庭などがこれに含まれます。建物を建てたあとに行う工事ですが、注文住宅全体のデザインや機能に大きく関わります。ご自身の好きなテイストで、どのように造るか考えるのが楽しい場所でもありますね。

4-1.門扉などの設置

門扉やフェンス、表札など、自分の家や土地であることを示すものが必要となります。配達物の受け取りや防犯上に必要なものですので、機能性やデザイン性も考えて検討しましょう。

・門扉、塀設置費

門扉やフェンスは、家のプライバシーを守ったり、防犯性を高めたりする役割を持っています。また、境界線を明確にしたり、デザイン性を高めます。門扉の種類も片開き、両開き、引戸、アコーディオンなど様々なデザインや材質、色が選べます。また、フェンスやブロック塀なども様々な種類があります。費用の目安としては10万~50万円程度が一般的とされています。

・門柱、表札

訪問者や郵便・宅配の方が迷わず訪ねられるようにするために必要なものです。宅配BOXを兼ねている門柱もありますね。表札は「家の顔」とも呼ばれ、住んでいる人の名前を目印として掲げることで、周囲の人々との関係を良好に維持することができます。

4-2.駐車場の整備

注文住宅の付帯工事費とは?

注文住宅で車を停めるスペースが必要な場合、駐車場を整備します。素材としては、コンクリート、アスファルト、砂利などが選べます。土に砂利をひくだけの工事は簡単で比較的安価ですが、下からの湿気が車に与える影響を考えるとコンクリートやアスファルトにすることをお勧めします。費用の目安としては駐車スペースを何台にするかによりますが、目安として30万~100万円程度とされています。駐車場のタイプとしては、ビルトインガレージ、ガレージタイプ、カーポートタイプ、オープンタイプが主流となっています。(ビルトインガレージは本体工事の設計段階で含めなければいけません)その中でもビルトインガレージとガレージタイプのような三面が壁になっているガレージは高額になることが多く、固定資産税もかかるので注意してください。また、カーポートタイプはお家の採光の妨げにならないようにしましょう。

4-3.庭や植栽の工事

注文住宅の付帯工事費とは?

注文住宅の庭を作る場合、木を植えたり芝生を敷いたりする工事が必要です。また、ウッドデッキを設置することで家の雰囲気が大きく変わります。費用の目安として10万~200万円となります。これは、ウッドデッキの広さや、植栽する植物の種類、本数によっても異なります。

4-4.立水栓

注文住宅の付帯工事とは?忘れてはいけない3選!

外の水栓は何かと便利です。庭の草木の水やり、洗車、子供の水遊び、ペットの足洗いなど様々な用途があり、もはや必須といってもいいでしょう。建物のすぐ近くに立水栓を設けるなら、上下水道工事は本体工事に含まれることもあります。用途に合わせてスロップシンクや温水も出るように工夫することも可能です。詳しくは関連記事「注文住宅の家事らくアイテム!スロップシンクの解説5選」も併せてご覧ください。

4-5.ライトやカメラ

注文住宅の付帯工事費とは?

人感センサーライトや防犯カメラの設置も、防犯や安全対策には大切です。また家や庭をライトアップさせるなど、デザイン性の高いライティングなども人気です。ソーラー式のセンサーライトなら配線や電気代を気にすることなく簡単に設置できます。

4-6.外物置

外に設置する置き型タイプの物置も付帯工事費に入ります。家の中にしまっておけない物などを保管できるので、設置する方も多いと思います。大きさなども必要に応じて検討してください。

5. 特殊な条件に必要な工事費

注文住宅を建てる土地や環境によっては、追加の工事が必要になることもあります。

5-1.擁壁工事

注文住宅 擁壁

隣接地や道路との高低差が大きい土地では、土が崩れないようにする「擁壁工事」が必要です。擁壁には鉄筋コンクリートで壁を作るなどの作業が含まれます。費用の目安としてはおよそ100万~300万円となることもあります。

5-2.防音工事

注文住宅を建てる土地が道路沿いや鉄道の近くでは、防音対策として窓ガラスや壁の補強が必要になることがあり、防音性を高めるための追加費用が必要になる場合があります。費用の目安としては約50万~200万円とされています。

6. 注文住宅の付帯工事費を安く抑えたい場合は

6-1.土地選びの段階で注意する

住宅性能表示について

 

土地を購入する前に地盤調査の結果やインフラ整備の状況を確認しましょう。造成工事や地盤改良が不要な土地を選べば、費用を大きく抑えることができます。詳しくは関連記事その土地に家を建てられますか?実は家が建てられない土地6選とその解決法とはをご覧ください。

6-2.補助金を活用する

注文住宅の付帯工事費とは?

自治体によっては、地盤改良やエコ設備に助成金が出る場合があります。建築業者や自治体に問い合わせて確認しましょう。

6-3.複数の見積もりを取る

複数の業者に見積もりをとる

注文住宅の付帯工事は業者によって費用が異なります。また、本体工事と付帯工事の区分も会社によって異なる場合がありますので、複数の業者から見積もりを取り比較することが大切です。

まとめ

注文住宅を建てる際に、付帯工事費を軽視すると予算オーバーになる可能性があります。しかし、事前に土地や建物の条件をしっかり調べておけば、適切に計画することで費用を抑えながら快適な家づくりができます。機能性も良くデザイン性も高い外構用のオプション製品も、最近ではたくさん見かけます。情報収集をしながらこだわりたいポイントを絞って、ご自身のテイストにあった外構づくりを目指しましょう!よろしければ関連記事「注文住宅の見積もりトラブル回避術とは?注意点と解決策5選を紹介!」も併せてお読みいただければ幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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