一生に一度の大きな買い物のマイホーム。しかし、注文住宅に限らず住まいを建てる際には、見積もりのトラブルはつきものです。そこでお役に立つポイントを丁寧にお伝えしていきます。
記事の目次
1 見積の明細や数量がおかしい
・1-1 大きな金額の項目は特に明細をチェック
・1-2 建築会社へ必ず確認する
2 見積もりの変更が反映されていない?
・2-1 打合せ内容はご自身もメモを取る
・2-2 契約前に再チェックを忘れずに
3 概算見積りで注文住宅を契約しない
・3-1 正式な見積もりがもらえないなら契約はしない
・3-2 正式な見積もり・契約の手順を踏む
4オプションの額が大きい
・4-1 通常含まれているはずの費用がオプションとして計上?
・4-2 相見積もりをとって比較する
5 見積書の内容と違うものが設置されている
・5-1 違う仕様やグレードの違うものが設置されている
・5-2 見積書に品番を明記してもらう
6 建築費用と付帯工事費用について知る
・6-1 建築費用とは?
・6-2 付帯工事費用とは?
・6-3 すべて含まれていると思う誤解がトラブルのもと
7まとめ
以上が目次となります。それでは、本題に入っていきましょう。
1. 見積の明細や数量がおかしい
皆さんは普段から見積もりの内容をしっかり見ているでしょうか。普段からレシートをチェックする習慣がある方は、見積もりもよく確認されるかもしれません。注文住宅の見積書は、普段見慣れない項目や金額が細かく書かれています。面倒だと感じるかもしれませんが「そういうものなのかな」と安易に考えず内容をひとつずつ確認しましょう。
1-1 大きな金額の項目は特に明細をチェック
明細を一行ずつチェックすることは大切です。特に、「外壁工事」や「基礎工事」など、大きな金額のものは項目も多く、実際には不要な工事が含まれているかもしれません。確認のひと手間で、不必要な費用を防ぐことができます。
1-2 建築会社へ必ず確認する
もし見積もりの内容や金額がおかしいなと感じたら、建築会社に確認しましょう。例えば「諸経費 一式」とだけ明記されていたとします。明細が分らないと不安になりますよね。何の分なのかを問い合わせたり、明細を明記してもらうようにしましょう。
2.見積もりの変更が反映されていない?
もし、打合せで変更依頼をした箇所が直っていない時は、その場で言いましょう。注文住宅は、建築会社とお客様との信頼関係が一番大切です。おかしいと気づいたら、すぐに訂正や修正してもらいましょう。
2-1 打合せ内容はご自身もメモを取る
打ち合わせの内容をきちんとメモしておくことで、後で「そんな話聞いたかな?」というトラブルを避けることができます。例えば、キッチンのデザインが変更されていなかった場合、メモですぐ確認することができます。
2-2 契約前に再チェックを忘れずに
後にも述べますが、契約前にしっかりと本見積もりを再チェックすることが重要。契約後に変更が難しくなることが多いためです。事前にしっかりと確認し、不明な点や疑問があれば解決してから契約に進むようにしましょう。
3.概算見積もりで注文住宅を契約しない
どんな住宅を購入するときでも概算で契約は見積もりトラブルの元です。特に私たちのような注文住宅を請け負う会社は、お客様と何度も打合せを重ねて吟味し、理想の家づくりを目指しています。本来見積りには、「概算見積もり」と「本見積もり(正式見積もり」というものがあり、最初にお客様のご希望をヒアリングしたうえで提出されるのが「概算見積り」です。納得のいく内容で「本見積もり」を受け取ってから契約しましょう。
3-1 正式な見積りがもらえないなら契約はしない
正式な見積もりがもらえない場合は契約を避けましょう。例えば、概算見積もりで契約を結んだ結果、最終的に予想以上の金額になってしまったケースもあります。見積もりトラブルを防ぐために、正式な見積もり(本見積もり)必ずをもらうようにしましょう。
3-2 正式な見積もり・契約の手順を踏む
通常の流れとして、打合せ→「概算見積もり」→詳細打合せ→「本見積もり」→ご契約の順に進み、お客様がご納得されてからのご契約となります。イレギュラーな流れはトラブルの元となる可能性が高くなります。しっかり手順を踏んで契約をしましょう。
4.オプションの額が大きい
注文住宅に限ったことではありませんが、標準仕様だと思っているものが実はオプションだということは珍しくありません。注文住宅は、自由な間取りやオプションをつけることができるのが魅力のひとつ。総じてオプションの価格は通常の数倍にはなりますが、それだけご自身のこだわりや夢が詰め込めるメリットは大いにあります。
4-1 通常含まれているはずの費用がオプションとして計上?
建築会社はそれぞれ標準仕様を設けているので、打合せの際に「こちらはオプションです」と説明があります。見積もりトラブルを回避するためには、建築会社ごとの標準仕様は異なることを理解しておくことが大切です。また、建築会社とお客様との間での「標準」が異なることを理解していれば、お互いに話が進めやすくなります。
4-2 相見積もりをとって比較する
同じ条件で他の建築会社へ相見積もりを依頼することも、見積もりトラブルを防ぐために有効です。ご自身で相見積もりを比較することで、適正な価格を把握することができます。また、オプションの基準や費用が妥当かどうかを確認することができます。その上で総額はどうなのか、多角的に見てみることも必要です。
5 見積書の内容と違うものが設置されている
見積書の内容と異なるものが設置されていた場合、もちろん指摘して交換しなければなりません。その分工期が遅れて困ることがないように、以下の2点についてお伝えします。
5-1 違う仕様やグレードの違うものが設置されている
通常、建築会社はお引渡しの際に必ずお客様と確認作業をします。もし間違ったもので施工されている場合は、すぐに指摘し修正してもらいましょう。お引渡しの後に気付くことのないよう、ご自身でもしっかりチェックすることが大切です。
5-2 見積書に品番を明記してもらう
事前に見積書には品番を明記してもらいましょう。具体的な商品や素材が明確になるため、間違った製品で施工されることがなくなります。工期が伸びてしまうのを未然に防ぐことにもなります。
6.建築費用と付帯工事について知る
注文住宅を建てる際に注意をした方がいい点として、建築費用と付帯工事が分かれていることです。よく耳にしたり、目にすることがある「80万円/坪」とあるのは建築費用だけの計算になっていることが多く、その金額にすべての費用が含まれていると思っていると大きな誤解をすることになるでしょう。
6-1 建築費用とは?
純粋に建物本体を建てる際に必要になる費用となります。注文住宅であれば、ご自身がプランニングをしてきた内容を建築費用に反映した金額になるのが主です。しかし、純粋に建築に必要になる費用だけですから、その他の費用(以後、付帯工事費用)は含まれていません。では、付帯工事とはどんな内容になるのでしょうか。続きでご紹介していきましょう。
6-2 付帯工事とは?
一般的な付帯工事の項目としては、「設計費」「現場管理費」「共通仮設費」「地盤調査費用」「屋外設備(給排水)費用」「外構費用」「残土処分費用」などがあげられます。注文住宅を建てる際に「付随する工事」という位置づけになる内容と思ってもらえると間違いないでしょう。
6-3 すべて含まれていると思う誤解がトラブルのもと
先に述べたように「80万円/坪」というのは、建築費用だけの表記になっていることが多い現実があります。それ以外にも「30坪で1980万円」と謳っているところもあるでしょう。しかし、実際としては付帯工事を省いた表記となっていると思ってもらえると間違いありません。その理由は多々ありますが、土地や立地条件がそろっていないと算出できないのが主になるでしょう。表示だけの数字の捉え方を間違えるとトラブルを招きかねませんので十分に理解をしておきましょう。
7.まとめ
見積もりトラブルを回避する方法をご紹介してまいりました。お見積もりがいかに大切かを理解していただけたと思います。お見積もりのトラブルは、後々住み始めてから気付くこともあります。家づくりは、建築会社とお客様との信頼関係が大切です。最初の段階のお見積もりで、ご納得された上で契約に進みましょう。ご自身の理想の仕上りになるよう細部までしっかりと確認し、安心して夢のマイホームを手に入れてください。この記事が少しでも参考になれば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。