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コラム

注文住宅だからこそできる!日当たりが悪い土地の快適な家づくり

注文住宅を建てようと決めたとき、土地はとても重要な要素となってきます。多くの人ができれば南向きで日当たりがよい土地を希望するでしょう。しかし、都市部や住宅地では隣家が密集しているため、敷地条件が理想通りとは限りません。さらに、相続で受け継いだ土地や知人から譲り受けた土地が、日当たりに恵まれていないケースもあります。せっかくの土地を有効に使いたい一方で、「暗さ」「湿気」「寒さ」などに悩む可能性も否定できません。この記事では日当たりが悪い土地でもなるべく快適に生活できるようなアイデアをお伝えしていきます。

1. 日当たりが悪い土地のデメリット

日当たりが悪い土地でも快適に暮らす注文住宅の工夫

まずは、「日当たりが悪い土地」にはどんな特性があるか、それによって受けるデメリットは何かを挙げていきます。

1-1. 室内が暗くなる

自然光が入りにくいため、リビングや寝室が暗くなりやすく、開放感を感じにくくなります。

1-2.湿気とカビのリスク

日射による乾燥効果が得られにくいため、湿気がこもり、カビや結露の原因になりやすい傾向があります。

1-3.洗濯物が乾きにくい

日当たりが悪い土地でも快適に暮らす注文住宅の工夫

洗濯物を屋外に干しても乾きが悪く、室内干しを前提とした対策が必要になることもあります。

1-4. 冬の寒さと光熱費

冬は太陽熱を取り込みにくいため、室温が上がりにくく、暖房に頼る時間が増えます。結果として光熱費も高くなりがちです。

1-5. 資産価値への影響

不動産市場では「日当たりのよさ」が好条件の一つとされます。日照条件が悪い土地は需要が限られ、将来的な売却の際に価格が下がる可能性があります。

2. 注文住宅で取り入れるアイデア

注文住宅だからこそできる、日射光取得のアイデアがあります。日当たりが悪い土地であっても様々な工夫をこらすことによって、デメリットをカバーしながら快適な暮らしを送るヒントをお伝えしていきます。

2-1. 建物の配置と間取りを工夫

家族が長く過ごすリビングやダイニングを、光を少しでも取り込める場所に配置することが大切です。中庭や吹き抜けを設ければ、建物の奥まで光が届きやすくなります。

2-2. 窓のかたちと位置

採光を目的としたハイサイドライト(高窓)や吹き抜け窓などを用いれば、上方から安定した光を取り込むことができます。横長窓やコーナーサッシを活用し、複数の方向から採光できるようにすると効果的です。

2-3. 素材選びの工夫

内装に光を反射しやすい明るい色を取り入れると、少ない光でも空間全体が明るく感じられます。外構に白系の砂利やタイルを敷いて反射光を取り込む工夫も有効です。

2-4. 照明で明るさを補う

昼白色LEDの照明を複数配置し、自然光に近い明るさを演出します。間接照明を取り入れれば、柔らかい光が広がり、閉塞感も和らぎます。

2-5. 風通しを良くする

注文住宅とパッシブデザイン

対角線上に窓を配置することで自然な通風が生まれます。換気設備と併用すれば、湿気やカビのリスクを大幅に抑えることができます。

2-6. 外構や庭の工夫

格子状のフェンスや背の低い植栽を取り入れると、光や風を遮らずにプライバシーを守れます。落葉樹を植えれば、夏は木陰をつくり、冬は日差しを取り込むことが可能です。

3. 日当たりが悪いと太陽光パネルは無理?

3-1.太陽光パネルは設置できる?

省エネ住宅

日当たりの悪い土地でも、屋根の形状や角度を工夫することで太陽光パネルは設置できます。南向きでなくても、東西向きの屋根に取り付ければ一定の発電量は確保できます。ただし、周囲の建物や樹木の影が長時間かかる場所では、発電効率が大きく下がる点に注意が必要です。検討する際はプロに相談してみましょう。

3-2.ZEH基準を満たせるか

ZEH

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の基準では、断熱性能や一次エネルギー消費量の削減が重視されます。経済産業省の資料によると、発電量だけでなく省エネ設備の導入も評価対象となります。そのため、発電量が十分でなくても、高断熱化や省エネ家電を組み合わせることで基準を満たせる可能性があります。

3-3. 補助金の活用は可能?

 

日当たりが悪い土地でも快適に暮らす注文住宅の工夫

ZEH関連の補助金は、パネルの発電量だけでなく住宅全体の性能を評価して決まります。もともと日射取得が難しいとされる地域もあります。つまり、日当たりが悪く発電量が少ない場合でも、断熱性能や省エネ設備を組み合わせれば補助金を受けられる可能性がなくはないということです。ただし、補助金を受けるための審査には専門家による事前のシミュレーションが不可欠です。

4. まずは相談してみよう

土地条件に制約があるときこそ、専門家に聞くことが重要になります。日照シミュレーションを行い、間取り・窓・屋根形状などを調整することで、暗さや発電効率の問題を最小限にできます。建てたい工務店やハウスメーカー、設計士に相談してみましょう。

まとめ

日当たりが悪い土地には、暗さ・湿気・寒さといったデメリットがあります。しかし、設計の工夫や省エネ設備の導入によって快適性を高めることは十分可能です。太陽光パネルも、条件次第で設置や補助金活用が可能であり、ZEH基準を満たすことも不可能ではありません。土地条件は変えられなくても、工夫次第で暮らしの質は大きく変わります。ぜひ地元の工務店やハウスメーカーに相談してみましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。宜しければ関連記事「実はいちばん重要!新築の土地選び」も併せてご覧いただけますと幸いです。

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