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注文住宅の豆知識

家づくりはプロジェクト!「家族」というチームでつくる注文住宅

「住まいづくり」は、人生の中でも特別な節目のひとつとなります。注文住宅は、自分たちの希望やライフスタイルを最大限に反映できる自由度の高い選択肢ですが、その分「何をどう決めるか」「誰の意見をどこまで反映させるか」で悩むこともあるかもしれません。みんなで暮らす家だからこそ、ご家族の意見も上手に取り入れることが大切になります。この記事では家族構成や暮らし方、将来のライフプランを考慮した工夫をお伝えしていきます。

1. 「何を大切にしたいか」を話し合う

注文住宅の家づくり「家族の意見」

 

最初に必要なのは、全員の「価値観の共有」です。「広いリビングが欲しい」「家事がしやすい動線にしたい」「十分な収納が欲しい」など、希望はさまざまですが、まずは「何を大事にして暮らしたいのか」を話し合ってみましょう。これは単なる設備や間取りの話ではなく、「どんな暮らし方をしたいか」という根本的な部分です。例として挙げるなら、以下のようなことを話し合うと良いでしょう。

・休みの日はどんなふうに過ごしたいか
・家に友人を呼ぶことは多いか
・家にいちばん長い時間いる人は誰か
・一人で過ごす時間はどのくらいか
・朝の時間帯はバタバタしがちかどうか

こうした生活のリズムや習慣の共有から、本当に必要な間取りや設備が見えてきます。

2. 家族構成別の意見の整理方法

● 夫婦+子ども家庭(核家族)

家は住んでからがスタート!将来を見据えた注文住宅

この構成で最も多いのは、「夫婦で意見が割れる」パターンです。たとえば旦那さんは趣味部屋が欲しくて、妻は広いキッチンが欲しいとしましょう。でも予算には限りがあります。こうしたときは「希望の優先順位」を明確にすることが大切です。希望を「◎絶対必要」「〇あると便利」「△できればほしい」に分けて整理し、お互いが何を譲れて何を譲れないのかを可視化すると良いでしょう。更にお子様がいる場合、小学生以上には「どんな部屋が欲しい?」と聞いてみると、自分で考える良い機会になります。すべてを取り入れる必要はありませんが、将来の個室の配置などの参考になります。

● 夫婦+親(2世帯住宅)

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2世帯住宅の場合、プライバシーの線引きと共有スペースの設計がポイントです。親世代と子世代では、生活リズムも価値観も異なるため、玄関や水回りを分ける「完全分離型」か、ある程度共有する「部分共有型」かを話し合いましょう。親世代は「バリアフリー」や「階段の上り下りの少なさ」を重視することが多いので、寝室の場所やトイレの位置などに配慮する必要があります。

● 単身・DINKs(ディンクス・子どもなしの夫婦)

注文住宅の家づくり「家族の意見」

将来の変化も見据えつつ、現在のライフスタイルに特化した設計が可能です。例えば、趣味の部屋や在宅ワークスペースの充実が重視されることも。子どもがいないからこそ、将来的に親の介護や転居の可能性も視野に入れ、「売却」や「貸す」ことも考慮した設計にするのも一つの考えです。

3. 暮らし方に合わせた優先順位の決め方

注文住宅で後悔しやすいのは、「なんとなく憧れだけで決めた間取りや設備」が、実際には暮らしに合っていなかったというケースです。そこで、「自分たちの暮らし方に合った優先順位」を決めることが重要です。

● 家事重視型:キッチン→洗濯動線→収納→掃除のしやすさ
● 子育て重視型:見渡せるリビング→安全な階段→ファミリークローゼット→庭や遊び場
● 趣味重視型:書斎→音楽室→ガレージ→収納
● 来客重視型:玄関ホール→客間→広いダイニング→トイレの場所
家族全員の優先項目を出して、重なる部分を「家族の最優先ポイント」として設計に反映させましょう。

4. 意見がぶつかったときの対処法

注文住宅の家づくり「家族の意見」

家づくりの中では意見がぶつかるのは当たり前です。むしろ、口をはさまなかった結果、住んでから「こうしておけば…」と後悔することの方が問題です。
意見が割れたときの対処法としては、以下の3つの方法を試してみましょう。

● ① 第三者の意見を取り入れる

注文住宅の家づくり「家族の意見」

建築士や住宅営業のプロに「どちらの案が合理的か」を相談することで、感情論ではなく実用面からの判断ができます。

● ② 両方の中間案を模索する

いつ建てるかはご自身次第

たとえば、「リビングに収納が欲しい vs 広く見せたい」ということなら、壁面収納などで両立できる案もあります。

● ③ 時間を置いて考える

注文住宅の家づくり「家族の意見」

 

その場で結論が出ない場合は、一旦冷却期間を置くのも大事。数日たつと考えも変わり、意外にも意見が一致することもあります。

5. 将来を見据えた家づくり

注文住宅の家づくり「家族の意見」

今の家族構成や暮らしにだけ合わせると、10年後、20年後に「使いにくい家」になってしまう可能性があります。だからこそ、「未来の暮らし」も想定しておくことが大切です。子どもが巣立った後に余った部屋の使い道だったり、親の介護が必要になった場合も想定しておくことも大切です。そのためには、将来的に間取りを変えられる柔軟性や、必要に応じて一部をリフォームしやすい構造を考えておくと安心です。可動間仕切りや多目的スペースなどが活躍します。

6. まとめ

注文住宅の家づくり「家族の意見」

注文住宅の最大の魅力は、家族の暮らしにぴったりな「オーダーメイドの家」が作れること。しかしその裏には、家族での丁寧な話し合いと、意見のすり合わせという大切なプロセスがあります。もちろん率先して計画する人が必要なのですが、誰か一人の理想ではなく、家族みんなの想いをバランスよく反映させることが大事です。話し合ってみんなの希望を取り入れた家づくりこそ、本当に価値ある住まいになるのです。もちろん意見を取りまとめて計画をスムーズに進めるリーダーは必要ですが、今後住むお家に対してじっくりとお互いの意見に耳を傾けながら、よりよい住まいを目指しましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。宜しければ関連記事「家は住んでからがスタート!将来を見据えた注文住宅」も併せてお読み頂ければ幸いです。

 

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