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コラム

注文住宅|24時間換気システムは義務化!メリットと仕組みとは?

注文住宅の打ち合わせで「24時間換気システム」という言葉を耳にしたことはありませんか?24時間換気って具体的に何をしているのか、どんな効果があってなぜつけないとダメなのかなど、実はよくわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな方に向けて、この記事では 24時間換気システムの仕組み・必要性・メリット をわかりやすくお伝えしていきます。

1. 24時間換気システムとはどんな設備?

24時間換気システム

「24時間換気システム」とは、名前の通り一日中、家の中の空気を自動的に入れ替えてくれる仕組みです。外の新鮮な空気を取り込み、室内で汚れた空気や湿気・においを外へ出すことで、家の中を常に清潔な空気環境に保ちます。この設備は、2003年(平成15年)に建築基準法が改正されて以降、新築住宅には設置が義務付けられています。つまり、今の時代に建てられる注文住宅には、必ずこのシステムが組み込まれているのです。

2. なぜ義務化されたの?

この制度ができたきっかけは、「シックハウス症候群」と呼ばれる健康被害です。住宅の断熱・気密性能が高くなった一方で、建材や接着剤などに含まれる化学物質が室内にこもりやすくなり、頭痛や吐き気、目の刺激などの体調不良を訴える人が増えました。このような状況を改善するため、法律で「常に空気を入れ替える仕組み」を導入することが求められたのです。24時間換気システムは、見えない空気の質を守るための健康対策として生まれたわけです。

3. 換気システム|3つのタイプ

住宅に使われる換気システムには、主に以下の3つの方式があります。

3-1. 第1種換気

24時間換気システム
第1種換気システムは、機械給気機械排気(給気も排気も強制的に行う)です。外から入る空気と、室内から出す空気の両方を機械でコントロールします。温度交換装置がついており、冬は冷たい空気を室温に近づけて取り込めるため、省エネ効果も高いのが特徴です。高性能な注文住宅やZEH住宅でよく採用されています。弊社の新築の注文住宅ではZEH基準やGX志向型住宅を採用しているため、第1種換気システムを採用しています。

3-2. 第2種換気

第2種換気システムは、機械給気自然排気(給気は強制的に、排気は自然に行う)です。室内に清潔な空気を送り込み、排気は自然に行う方式。病院や研究施設など、清浄度を重視する建物で使われます。住宅用としてはあまり一般的ではありません。

3-3.第3種換気

第3種換気は自然給気機械排気(給気は自然に、排気は強制的に行う)です。汚れた空気をファンで外へ出し、その分の外気を自然に取り込むシンプルな仕組み。比較的コストが低く、現在の一般住宅では最も多く採用されています。

24時間換気システムは通常ダクトを張り巡らし空調をしますが、初期コストが安いダクトレスタイプもあります。これは建築基準本を守るための最低限の設備と言われています。但し、家全体が同等に換気できているか測るのが難しく、局所的にしか換気できていない可能性が否めない点があるとされています。それらの問題や、ダクトのメンテナンスコストを抑えることが出来れば今後ダクトレスにも期待が集まるでしょう。

4.「24時間」動かす理由

人が生活していると、呼吸や調理、洗濯などの家事を通して、二酸化炭素・水蒸気・におい・ホコリなどが常に発生します。これらを効率的に外へ逃がすには、昼夜を問わず継続的に換気することが大切です。とくに、夜間や外出時など「窓を開けない時間帯」にも空気を動かすことで、カビや結露の発生を抑え、快適で健康的な住環境が保たれます。

5. 24時間換気システムのメリット

24時間換気システム

5-1. 室内の空気を常にクリーンに

外気を取り入れる際にフィルターを通すため、花粉やホコリ、PM2.5などをカットしながら換気できます。特に、小さなお子さんやアレルギー体質の方がいる家庭には嬉しい設備です。

5-2. カビ・結露の防止

室内の湿気を定期的に外へ出すことで、壁の裏や窓際に水滴がつきにくくなり、カビやダニの発生を防ぎます。これは家の構造を長持ちさせる効果にもつながります。

5-3. 生活臭がこもらない

調理やペット、タバコなどのにおいも、常に外へ排出します。窓を閉めたままでも新鮮な空気を感じられます。

5-4. 冷暖房の効率を下げにくい(熱交換タイプの場合)

外気を取り込む際に、室内の温度に近づけることで冷暖房の負担を軽減されます。快適な室温を保ちながら、エネルギーを無駄にしません。

6. メンテナンスを忘れずに!

「自動で動くから何もしなくていい」と思われがちですが、実は フィルターの掃除 がとても大切です。ホコリや花粉が詰まると換気効率が落ちてしまい、せっかくの機能が十分に発揮されません。一般的には、2〜3か月に一度フィルターを掃除 するのが目安です。場所によっては油汚れが付きやすいため、台所周りは特に注意が必要です。

7. 換気を止めるとどうなるの?

電気代がもったいないと感じてスイッチを切ってしまう人もいますが、これはおすすめできません。停止すると、湿気がこもってカビやダニが増えやすくなり、空気の汚れが蓄積してしまいます。ちなみに、24時間換気の電気代は月に100〜200円ほどだと言われています。健康面や住宅の維持を考えれば、常時稼働が最も経済的といえます。

8. 注文住宅で選ぶときのポイント

注文住宅では、家の性能や間取りに合わせて最適な換気方式を選べます。以下の点を意識すると失敗しにくいです。

  1. 住宅性能との相性 : 気密性が高い家は熱交換型(第1種換気)を選ぶと快適。
  2. メンテナンスのしやすさ: フィルターが取り外しやすい位置か確認しましょう。
  3. 静音性・省エネ性: 寝室近くに設置する場合は静かなモデルを。
  4. フィルター性能: 花粉やPM2.5対策フィルター付きのタイプもおすすめです。

まとめ

24時間換気システムは、建物のデザインや間取りほど目立つ存在ではありません。しかし、実際には空気の質を守り、 家の快適さや健康を支える大事なものです。常に空気を循環させることで、健康被害を防ぎ、建物の寿命を延ばし、何より住む人の毎日を快適にしてくれます。家族が安心して暮らすために必要なものだと考えましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。宜しければ「注文住宅と建売住宅のキホン!あなたはどっち派?」も合わせてお読みいただけますと幸いです。

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