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コラム

初心者さん必見!フローリング「ワックスがけ」のキホン

「フローリングのワックスがけ」と聞くと、面倒、本当に必要なのかと思っていませんか?実はちょっとした知識と工夫で、お部屋の印象をガラリと変えることができます。今回は、毎日忙しい方でも無理なく続けられるフローリングケアの方法をお伝えします。

1.あなたの家のフローリング、何タイプ?

住み始めてから、自分の家のフローリングは何の木だろうと思ったことはありませんか?注文住宅やご自身で床材を選んだ方なら、お分かりになると思います。ですが、建売や賃貸の方は、「フローリングのことを深く考えたことなかった」という方も多いのが実情です。

1-1.フローリングの種類

フローリングには大きく3つのカテゴリーがあります。

・天然木100%無垢材フローリング

・複合フローリング

・木目調プリントシートフローリング

天然木100%無垢材フローリングは本物の木をそのまま加工したもの。踏み心地が抜群で、時間が経つほど味わい深くなります。ただし、天然素材ゆえにデリケートで、お手入れには愛情が必要です。
複合フローリングは下地に合板を使い、表面に薄い天然木を張ったハイブリッド仕様。見た目の美しさと実用性を両立させた、現代住宅の定番です。多くの場合、表面にはウレタンコーティングが施されています。
木目調プリントシートフローリングは合板にプリントシートを貼ったコストパフォーマンス重視タイプ。賃貸マンションでよく見かけるのがこちらです。
ご自身が今住まわれている家のフローリングの種類をまずは把握しましょう。

2.フローリングの特性を知ろう

時短派におすすめなのは、ウレタンコーティング済み複合フローリングです。表面がしっかりガードされているので、普段のお掃除は掃除機と水拭きだけでOKです。ワックスも半年から1年に一度程度で十分なので、「家事に時間をかけられない」という方にぴったりです。シートフローリングも日頃のメンテナンスには便利ですが、表面が薄いため傷には要注意。賃貸に住まわれているなら退去時の原状回復を考えても、定期的なワックスがけは有効です。無垢フローリングはこだわりのある方が魅力的に感じる床材です。本物の木の温もりと、年々変化する表情は他では味わえません。ただし、湿気やキズ、汚れに敏感なので、3〜4ヶ月に一度はしっかりとしたケアが必要になります。手間をかけた分だけ愛着が湧くタイプの床材です。その他、色々な床材がありますので気になった方は是非「注文住宅のフローリング 無垢材の魅力を徹底解説!」も併せてご覧ください。

3.床材別ワックス選び

無垢フローリング専用のケア用品として人気なのが、木に浸み込むタイプの天然ワックスです。蜜蝋ベースのものや植物油から作られたものなど、木の呼吸を妨げない成分で作られています。これらは表面に膜を作るのではなく、木材の内側から保護してくれる優れものです。
オイル仕上げの無垢材には、専用のメンテナンスオイルが最適。木目を美しく際立たせながら、汚れや水分をブロックしてくれます。
ウレタン塗装の複合のフローリングには、水性アクリル樹脂ワックスが定番です。薄い保護膜を形成して光沢をプラスし、日常の汚れから床を守ります。ホームセンターで手に入りやすく、臭いも控えめで使い勝手抜群です。最近は「ノーワックス仕様」を謳うフローリングもありますが、数年経つと表面の輝きが失われがち。やはり定期的なワックスがけで、新築時の美しさをキープするのがおすすめです。
シートフローリングにもアクリル樹脂ワックスが適していますが、薄いシート素材を傷めないよう、塗布量は控えめにしましょう。継ぎ目にワックスが溜まると剥がれの原因になるので、丁寧な作業が求められます。

4.きれいに仕上げるワックス塗布のコツ

無垢材のフローリング

ワックスをかける際の工程は以下の4つです。

・ゴミの除去
・汚れ落とし
・ワックス塗布
・乾燥

それぞれ詳しくお伝えしていきます。

4-1.ゴミの除去

注文住宅|知っててほしい!フローリングのワックスがけ

ワックス塗布を綺麗に仕上げるためには、下準備がカギとなります。「段取り八分、仕上げ二分」という職人の格言通り、事前準備にしっかり時間をかけましょう。
まず掃除機で細かいホコリまで徹底除去します。

4-2.汚れ落とし

注文住宅|知っててほしい!フローリングのワックスがけ

硬く絞った雑巾での水拭きを行います。頑固な汚れには薄めた中性洗剤を使用し、必ず水拭きで洗剤成分を完全に取り除きます。床面が完全に乾燥するまで、最低30分は待ちましょう。それぞれのフローリングの材質によっては水拭きNGなものもありますので、確認してから行います。

※無垢材に関しては、基本的に水は使用してはいけません。

4-3.ワックス塗布

注文住宅|知っててほしい!フローリングのワックスがけ

ワックスを塗る際は、部屋の一番奥からスタートし、出入口に向かって進行します。「薄く、均一に」が鉄則で、厚塗りしてしまうと乾燥ムラの原因になります。専用モップやスポンジを使い、木目の流れに沿って丁寧に塗り広げていきます。
一気に全面を仕上げようとせず、2畳程度のブロックに分けて地道に作業を進めるのがコツです。重ね塗りする場合は、一度目のワックスが完全に乾いてからにしましょう。

4-4.乾燥

注文住宅|知っててほしい!フローリングのワックスがけ

ワックス塗布が終わったら乾燥させる工程になります。夏季なら30分程度、冬季や梅雨時期なら1時間以上を目安にしてください。換気を良くし、家族やペットなどが入らないようにすることが綺麗に乾燥させてください。最後に、完全乾燥後に柔らかい布で軽やかに拭き上げれば完成。力を入れすぎるとワックスの被膜にダメージを与えるので、やさしく拭き上げましょう。

5.ライフスタイルに合わせたメンテナンス周期

ライフスタイルによって、定期的にメンテナンスをすると床をきれいなまま保つことができます。フローリングの材質やワックスの種類によってメンテナンスの時期は変わります。

◆無垢材

無垢材フローリングは季節の変わり目毎にケアするのが理想的です。特に空気が乾燥する秋冬は木材の収縮が激しいため、こまめな気配りが必要です。オイル仕上げなら半年に一度にオイル塗装をし直すことで、美しさを維持できます。

◆複合フローリング(ウレタン塗装)

複合フローリングは年単位でのケアサイクルで十分。家族構成や生活パターンに応じて「なんとなく光沢が物足りなくなってきたな」と感じたタイミングでワックスをかけましょう。小さいお子さまがいるご家庭や来客頻度の高いお宅では、年2回のペースがおすすめです。

◆シートフローリング

シートフローリングも年1〜2回の頻度でOKですが、表面を保護するため傷が気になる前の予防的メンテナンスを心がけると良いでしょう。

6.効率的なワックスがけ法

家全体のフローリングにワックスがけとなると、平日の限られた時間で行うのは難しいでしょう。一気に全部屋は無理という場合は、かけるエリアを決めて行いましょう。今週はリビング、来週は寝室といった具合に、無理のないペースで進めていくことができます。家具の移動や立ち入る人がいない時間など、事前に計画を立てておくスムーズに進みます。最近では「お手軽ワックス」シリーズ、スプレー式や拭き取りシートタイプも登場しています。手軽で、持続性は短いですがこまめなケアをするなら良い選択と言えます。大掛かりなワックスがけは面倒という方にはおススメです。

7.失敗しないコツ

ワックスがけで最も困るのが、ムラになったりまだらになったりすることです。主な原因は、塗りすぎや乾燥不十分な状態での塗り重ねです。もし斑点ができてしまったら、完全乾燥後にアルコール系の剥離剤で一旦リセットし、最初からやりなおすのが確実な解決策となります。白濁現象は湿度の高い日の作業や、床面に水分が残った状態でのワックス塗布で起こりがちです。ワックスがけを行う日は事前に天気予報をチェックし、湿度の低い日を選びましょう。また、長時間ベタベタする状態は、明らかな厚塗りが原因です。この場合は剥離処理からのやり直しか、根気よく自然乾燥を待つしかありません。

まとめ

適切なワックス選びと正しい塗布方法を覚えておけば、住まいの床は見違えるほど美しくなります。無垢材は手間をかけた分だけ応えてくれる素材ですし、複合フローリングなら忙しい毎日でも無理なく美しさを保てます。年に数回の作業で、お部屋全体の雰囲気がアップグレードするワックスがけ、今度の休日に是非トライしてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。宜しければ関連記事「猫部屋にフローリングはダメ?ずっと元気で過ごせる秘訣は床材にあり!」も併せてお読みいただけますと幸いです。

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