「家づくりは高くて当たり前」と思っていませんか?実はちょっとした工夫や考え方次第で、家づくりのコストは大きく抑えることができます。この記事では、現役の工務店として実際の経験から見えてきた「お金をかけない家づくり」のポイントを、間取り・デザイン・設備の3つの視点から解説していきます。
家づくりにお金がかかる理由とは?
まず最初に知っておきたいのが、「なぜ家づくりにはお金がかかるのか?」ということ。原因を知ることで、無駄を省いた家づくりができるようになります。
1. 必要以上に広い家を建ててしまう
収納や広々としたリビングに憧れて、つい家を大きくしがちですが、それに伴って施工費・材料費も大幅に増えます。「ちょうどいい広さ」を見極めることが重要です。
2. 高級志向を捨てきれない
「安くしたい」と言いつつも、設備やデザインにこだわってしまう方も多いです。どこにお金をかけるか、優先順位を明確にすることが大切です。
3. 完璧を目指しすぎる
デザイン・性能・間取り…全部を理想通りにしようとすると、当然費用はかさみます。メリハリのある計画が家づくり成功の鍵です。
4. デザインに変化をつけすぎる
壁の段差、床材の異種あわせ、塗り分けなど、変化を多くすると材料費・施工費が上がります。見た目よりもシンプルな構造の方がコスト的には有利です。
5. 窓が多すぎる
窓は1カ所ごとにコストがかかるうえ、断熱性にも影響します。数を絞り、必要な場所だけに設置するのが賢い選択です。
お金をかけない家づくり【間取り編】
総2階建ての方がコスパがいい
同じ延床面積でも、平屋より総2階の方が基礎面積と屋根面積が半分で済み、材料費・施工費が抑えられます。
ちょうどいい広さを選ぶ
「広ければいい」ではなく、家族構成やライフスタイルに合わせた“ちょうどいい広さ”がコストにも生活にも優しい選択です。
間仕切り壁を減らす
廊下や壁を少なくすることで施工費が下がり、空間も広く感じられます。将来的に壁を追加することも可能なので、必要最小限から始めるのもありです。
お金をかけない家づくり【外観デザイン編】
屋根は片流れがコスパ◎
屋根の中でも片流れは構造がシンプルで施工性が良く、材料も少なく済むため費用が抑えられます。ただし、雨仕舞いには注意が必要です。
パラペットはつけない
デザイン性はありますが、防水工事や材料費がかかるため、コストを抑えたいなら避けたほうが無難です。
2階のバルコニーは再検討を
新築時もメンテナンス時もコストがかかる場所。必要性をよく考え、不要なら潔く削減するのも賢い判断です。
お金をかけない家づくり【外壁素材の選び方】
初期費用を抑えたいなら:窯業系サイディング
コストパフォーマンスが良く、施工もしやすい。最近ではデザインも豊富で、初期費用重視の方におすすめです。
長期コスパを考えるなら:金属系サイディング
やや高めですが、断熱性・耐久性が高く、将来的な塗り替えコストを抑えられるため、長期的に見るとお得な場合も。
どちらを選ぶかは「何を重視するか」で変わる
・初期費用重視 → 窯業系サイディング
・長期耐久性・メンテ重視 → 金属系サイディング
お金をかけない家づくり【窓の最適化】
窓は小さく、数も最小限に
窓は大きいほど、数が多いほどコストがかかります。設置場所とサイズをしっかり検討することで費用を抑えられます。
向きによる断熱・採光効果も意識
寒さの厳しい地域では、北側の窓は小さく・南側は大きめにするなど、配置の工夫も大切です。
トイレ・浴室の窓は本当に必要?
防犯やメンテナンスの観点から、あえて窓を設けない選択もあります。格子などの追加工事で結果的に高くなることも。
お金をかけない家づくり【既製品の活用】
キッチンは既製品でも十分
特注のキッチンは価格が跳ね上がります。最近の既製品は機能性・デザインともに高品質なので、十分満足できる仕上がりになります。
ドアや収納も既製品でコストダウン
木製の造作建具よりも既製品の方が圧倒的に安く、品質も安定しています。
手作業が多い=コストが上がる
基本的に、造作・特注は人の手間が多いため高くつきます。予算重視の家づくりなら、既製品をメインにするのが賢い選択です。
さらに補助金活用でお得に
住まいの補助金を活用することで、さらにお得に建てられるようになります。
全国対象
・子育てグリーン住宅支援事業
宮城県対象
・スマートエネルギー住宅普及促進事業補助金
・産材利用サステナブル住宅普及促進事業
お家づくりに上手に活用しましょう。申請期限があります。施工可能なビルダーや工務店に早めに相談しましょう。