最近、ニュースで「住宅ローン金利上昇」という言葉を目にする機会が増えました。実際に2026年6月のフラット35は、返済期間21年以上35年以下の場合で年3.21%となり、固定金利はここ数年で大きく上昇しています。住宅購入を検討している方の中には、「今は家を建てるタイミングなのだろうか?」「変動金利と固定金利、どちらを選ぶべきなのだろうか?」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。今回は、住宅ローンの難しい仕組みではなく、なぜ金利が上がっていて今後どうなりそうなのか、住宅購入を考える人が知っておきたいことをできるだけわかりやすくお伝えしていきます。
1.なぜ住宅ローンの金利は上がっているの?

一言で説明すると、「お金を借りるための料金が上がっている」ということです。これまで日本は長い間、超低金利の時代でした。しかし近年は、物価上昇、賃金上昇、円安、インフレ対策などを背景に、日本銀行が段階的に金利を引き上げています。2026年6月には政策金利が1.0%となり、これは約31年ぶりの水準です。銀行もお金を調達するコストが上がるため、その影響が住宅ローン金利にも反映されているのです。
2.フラット35の金利はどのくらい?

2026年6月現在、フラット35の代表的な金利は以下の水準となっています。
- 20年以下:年2.89%
- 21年以上35年以下:年3.21%
これは融資率や金融機関によって多少異なりますが、多くの金融機関で3%を超える水準となっています。数年前には1%台だったことを考えると、大きな変化といえるでしょう。
3.変動金利と固定金利の違い

住宅ローンには大きく分けて2つのタイプがあります。
3-1.変動金利
借入後も金利が変わる可能性があります。メリットは、借入時の金利が比較的低いことです。一方で、将来金利が上がれば返済額も増える可能性があります。
3-2.固定金利(フラット35など)
借りた時の金利が完済まで変わりません。メリットは返済計画が立てやすいことです。ただし、変動金利よりも当初の金利は高めになります。
4.金利が0.5%上がると返済額はいくら変わる?

では実際に借入金額別で、固定金利のフラット35でのシミュレーションをみてみましょう。
■3,000万円を35年返済で借りた場合
借入金額が3000万円で固定金利のフラット35の場合
| 借入金額 | 金利 | 月々の返済額 |
| 3000万円 | 0.8% | 約81,900円 |
| 3000万円 | 1.3% | 約89,000円 |
この表のように、金利0.8%と1.3%の差額は約7,100円/月になります。年間では約85,000円増える計算です。
■4,000万円を35年返済で借りた場合
では次に4000万円をフラット35で借りた場合見ていきましょう。
| 借入金額 | 金利 | 月々の返済額 |
| 4000万円 | 0.8% | 約109,000円 |
| 4000万円 | 1.3% | 約118,700円 |
この表のように、金利0.8%と1.3%の差額は約9,700円/月になり、年間では約116,000円増えることになります。
「0.5%しか変わらない」と思うかもしれません。しかし住宅ローンは何千万円という大きな金額を長期間借りるため、わずかな金利差でも家計への影響は決して小さくありません。
5.これからの金利の動向

5-1.これから変動金利はどうなる?
未来を正確に予測できる人はいません。ただし、現在の状況を見る限り、上昇方向を意識する必要があると考えられます。日本銀行はインフレ抑制のため、今後も追加利上げを行う可能性があるとの見方が出ています。変動金利は政策金利の影響を受けやすいため、「今の低い金利がずっと続く」とは考えない方がよいかもしれません。
5-2.フラット35など固定金利はどうなる?
固定金利は政策金利だけではなく、長期金利の影響も受けます。市場が「これから金利が上がりそうだ」と判断すると、先に固定金利が上昇することがあります。実際に2026年に入り、フラット35の金利は大きく上昇しています。今後も経済情勢や金融政策によって変動する可能性があります。
5-3.変動金利と固定金利、どちらを選ぶべき?
ここまでまとめると、ご自身の向いている金利がどちらか分り易いでしょう。
| 変動金利が向いている人 | 月の返済額を抑えたい |
| 将来的な繰上返済を予定している | |
| 金利上昇に備えられる余裕がある | |
| 固定金利が向いている人 | 返済額を一定にしたい |
| 将来の金利上昇が不安 | |
| 家計管理を重視したい |
もちろん、変動金利と固定金利を選ぶ際、全額を一箇所から借入れなくても良いのです。固定と変動をうまく組み合わせてリスク分散させる方法もありますので、ご自身のスタイルに合わせて上手に使い分けましょう。
7. 実はちょっと前まで超低金利時代

「今は金利が高くなった」と聞くと不安に感じる方もいるかもしれませんが、実は日本の住宅ローン金利は長い歴史の中で見ると、まだ比較的低い水準にあります。
例えば今から30年前の1996年頃は【変動金利:年2.625%】【固定金利(当時の住宅金融公庫):年3%台前半~中盤】が一般的でした。
現在のフラット35も3%前後の水準となっているため、固定金利については「30年前に近い水準に戻ってきた」と考えることもできます。さらに、その少し前のバブル期(1990年頃)には、住宅ローン金利が8%を超える時代もありました。ですが、預貯金の利息も高かった時代です。普通預金で6%~8%の利息が当たり前で、100万を預けておくだけで数万円増えていました。今では考えにくい数字ですが、当時はそれでも多くの方が住宅を取得していたのです。
7-1.30年前と今では何が違う?
実は金利の数字だけを見ても、単純な比較はできません。30年前は、銀行が提示する金利でそのまま借りるケースが一般的でした。一方で近年は、銀行同士の競争が激しくなり、「優遇金利」と呼ばれる割引制度が広く普及しました。例えば、基準となる金利は2%台や、実際に借りる金利は優遇によって0.3~0.5%程度というケースも珍しくありませんでした。そのため、多くの方が「超低金利」の恩恵を受けられる時代が長く続いてきたのです。これからは「金利のある時代」を考える必要もでてきています。
8.金利が上がっている今、いつが建て時?

このことはみなさんが悩んでいることかもしれません。ですが、答えは単純ではありません。なぜなら、住宅購入に関わるのは金利だけではないからです。例えば、建築費、土地価格、住宅設備価格、光熱費、将来のライフプランなども重要です。金利が下がるのを待っている間に、建築費や土地価格が上がる可能性もあります。つまり、「一番安いタイミングを当てる」ことは非常に難しいのです。ですから、家の建て時は、ご自身が「家が欲しい」と決めた時だということを忘れないようにしましょう。
9.工務店として感じていること
私たちが日々お客様とお話をしていて感じるのは、超低金利時代は少しずつ変わり始めているということです。これまでのように「変動金利だから大丈夫」という考え方だけではなく、将来の金利上昇も考慮した資金計画が重要になってきています。だからこそ、住宅ローンは「いくら借りられるか」ではなく、「将来も無理なく返していけるか」で考えていただきたいと思います。
まとめ
2026年現在、住宅ローン金利は上昇傾向にあります。フラット35は3%を超える水準となり、変動金利についても今後の動向が注目されています。しかし、大切なのは金利の予測を当てることではありません。住宅購入を考える際は、将来の収入、教育費、老後資金、ライフスタイルまで含めた無理のない資金計画を立てることが重要です。住宅ローンは人生で最も大きな借入になる方がほとんどです。だからこそ、「今の金利」だけではなく、「これからも安心して暮らせる返済計画」を考えながら選んでいきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。宜しければ関連記事「【住宅ローン】50年はアリ?後悔しないために知るべき判断基準とは」も併せてご覧いただけますと幸いです。


