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【注文住宅】木造住宅と湿気対策:家を長持ちさせる秘訣

あおい創建の注文住宅は、木造軸組工法(在来工法)を採用しています。木造軸組工法とは、柱と梁、筋交いを組み合わせて骨組み(軸組)を作り、建物を「線」で支える建築手法です。日本古来からの工法で、日本独特の気候風土に合った建物をつくるのに、数多く採用されてきました。特徴として、設計自由度が高く、比較的広い開口部をつくれることです。木造住宅は、湿気に非常に敏感な構造です。新築のうちは防水処理や防蟻処理も施してあるところがほとんどですが、長く住まわれるには日常的に適切な湿気対策が必要です。お手入れを怠ると湿気が多い環境下では木材が劣化しやすく、外壁の腐食や木材の白アリ被害が発生することがあります。また、一ヵ所でも家の中にカビが繁殖してしまうと、空調設備によって家中に広がってしまう恐れも。更に、カビはご自身の体にも悪い影響を及ぼし、風通しはシックハウスの予防となります。一説によると古来からの風水も、まさに「風」と「水」が気のエネルギーに関連しているとか。この記事では、木造住宅における湿気管理の重要性と具体的な対策を紹介します。

注文住宅 湿気から家をまもる
以下がこの記事の目次となります。
それでは順番にお伝えしていきましょう。

1. 湿気がもたらす木造住宅への影響

注文住宅 湿気対策 白アリ

1-1.湿気による外壁の腐食リスク

木造住宅の外壁は湿気によって腐食しやすくなります。特に梅雨の季節や湿度の高い時期には、湿気対策が必要不可欠です。日当たりの悪い外壁部分には苔やカビが生えることが多いです。これは、常に湿気にさらされているということです。また、小さなヒビの放置や、外壁のコーキング材が劣化して割れていることはありませんか?外壁の材種によりますが、コーキングや隙間から水が侵食してくると外壁と断熱材も湿気にさらされてしまいます。これを放置すると、最終的には躯体をむしばんでしまいます。結果、建物全体の耐久性が低下し、修繕コストがかさむことになります。定期的な点検を受けて外壁塗装や防水処理を施すことで、外壁を保護して湿気から家を守ることができます。また、外壁のそばには物を置かず、風通しを良くすることも大切です。後述でも触れますが、定期的な点検をすることが必要です。

1-2.白アリ被害のリスクと対策

湿気が多い場所は白アリの発生リスクも高くなります。白アリは適度に湿った木材を好むため、湿気が溜まりやすい場所、特に床下は彼らにとって理想的な環境です。白アリ被害を防ぐためには、湿気対策をすることがひとつの方法です。また、定期的なメンテナンスとして防蟻処理を施したり、白アリ駆除剤を使用することで家を守ることができます。

1-3.乾燥と風通しが家の寿命を延ばす理由

木造住宅では、乾燥と風通しを保つことが最も重要です。湿気が木材に吸収されるとカビや腐食の原因となります。まず、家の周りを整理して風の通りをよくしましょう。湿気が家の中にこもるのを防ぎ、木材を長期間健康な状態を保つことができます。屋根裏や床下の換気を十分に確保することが、家全体の湿気対策に大きく貢献します。

2.家全体の湿気対策

注文住宅 風通し

2-1.風通しを良くするためのポイント

家の健康は住む人の健康に直結します。家の中の風通しを良くするためには、窓やドアの配置と開閉が重要です。特に、風が対流するように対角線上に窓を配置し、適切な換気ができるように工夫しましょう。また、家具の配置にも注意が必要です。家具が空気の流れを遮らないように配置することで、部屋全体の風通しを良くすることができます。自然換気だけでなく、空調や換気システムも活用すると効果的です。

2-2.換気扇と除湿機の効果的な使用法

換気扇や除湿機は、湿気対策において非常に有効なツールです。特に浴室やランドリー室など湿気が多く発生する場所では、換気設備を常時運転させることで湿気を外に排出できます。また、湿度が高い梅雨の時期や雨が続く日には、除湿機を使用して室内の湿気を取り除くことが大切です。これにより、カビや腐食の発生を防ぐことができます。綺麗な空気を循環させることが大切で、カビをたくさん含んだ空気を循環させてしまうと逆効果です。何度もカビが発生する場所は、日当たりが悪く、空気のよどみができる場所に多いです。物の配置を変えるなどの工夫をし、風通しをよくする工夫をしましょう。

3. 浴室の湿気対策

注文住宅 浴槽のおそうじ

3-1.浴槽を乾燥させるメリット

浴室は家の中で最も湿気がこもりやすい場所です。特に、使用後の浴槽に残った水は、湿気を発生させる大きな原因になります。浴室を使用した後は、浴槽の水をすぐに抜き、乾燥させることが重要です。これにより、カビやぬめりの発生を抑えることができます。余談ですが、風呂の残り湯を抜くか抜かないかのお話をしましょう。宮城県にお住まいの方でご高齢の方に多いのが、非常時のために残り湯を抜かないこと。「ライフラインが止まったら、トイレを流す水がない」と思われるでしょう。ですが、トイレを流すのに必要な水はバケツ一杯では本来足りません。逆に少ない水で流そうとすると配管がつまる可能性が出てきます。ですので、非常の際は基本的に排泄物はトイレに流さない方法が最善です。更に、風呂の残り湯は雑菌が繁殖しているため他に使い道はハッキリ言ってありません。次にお湯を抜かない理由としては、冬場の凍結防止のためということがあります。寒候期だけ残り湯は貯めたままにし、浴槽の蓋があれば閉めておくのが良いでしょう。配管の破裂を防ぐことができます。

3-2.正しい掃除方法とカビ防止対策

浴室のカビやぬめりを防ぐためには、定期的な掃除が欠かせません。特に、排水口やタイルの目地はカビの温床となりやすいです。排水口受けはすぐに髪の毛などを取り除き、しっかりと清掃しましょう。その際、硬いタワシなどでゴシゴシとこすり洗いをしたり、金属ヘラ、金属のスポンジやメラミンスポンジは使用してはいけません。なぜなら細かなキズが付いてしまい、カビ菌が入り込んでしまうためです。次回の掃除の際、更に大変になってしまう恐れがあります。必ずお風呂用の洗剤と柔らかいタワシやモップで優しく洗うようにしましょう。床に物を直置きすることがなければ、掃除のしやすさと乾燥を両立しやすくなります。最近では、浴室の壁面につけるマグネットタイプのハンガーやボトルなど「浮かせる収納」が多数販売されています。また、市販の防カビ用燻煙材などを活用することで、カビ防止効果が長続きします。

3-3.コーティング剤を活用した防汚対策

浴室の大掃除の後に、浴槽やタイルにコーティング剤を塗布することで、汚れやカビの付着を防ぐことができます。これにより、日々の手入れが楽になり、常に清潔な浴室を保つことが可能です。防汚対策を施すことで、見た目も衛生面も長く維持することできます。

4. トイレの湿気管理とメンテナンス

注文住宅 トイレの湿気対策

4-1.トイレの換気と清潔さの維持

トイレも湿気がこもりやすい場所の一つです。トイレの換気扇を常にまわしておき、定期的に窓を開けて換気をしましょう。更にトイレ掃除は出来るだけ毎日行い、トイレ壁、トイレ床もお掃除ワイパーなど毎日拭き掃除をしましょう。

4-2.トイレの臭気対策

トイレの臭気対策には、前述のとおり換気扇の使用が効果的です。また、便座や便器をこまめに掃除し、汚れが溜まらないようにすることも大切です。芳香剤や消臭剤を使うだけでなく、日々のお掃除によって臭いの元を取り除きましょう。汚れの飛び散りを防ぐには、便座マット・トイレマットの廃止、座って用を足すなど方法はあります。尿の汚れにはクエン酸が効果的です。ウォシュレット便座は便利ですが、ノズルや裏面の掃除も忘れずにしましょう。消臭効果のある壁紙や、掃除のしやすい床シートを採用するなど掃除のしやすい環境にすることも、快適なトイレ環境を保つ秘訣です。

5.キッチンの湿気と水漏れ対策

5-1.キッチンの換気と湿気除去法

キッチンは料理中に蒸気や湿気が発生しやすい場所です。料理中は必ず換気扇を回し、湿気や油煙を外に逃がすことが重要です。調理後は出来れば窓を開けて自然換気を行い、キッチン内の空気を入れ替えましょう。キッチン場所はアルコール消毒をこまめにし、まな板や布巾などは塩素系漂白剤を使用して綺麗に保ちましょう。

5-2.水漏れ防止と清掃の重要性

キッチンの水回りは、水漏れが発生しやすい場所でもあります。蛇口やシンク周りを定期的に点検し、必要に応じて修理を行うことで、大きな被害を防ぐことができます。もし水漏れが起こってしまった場合は、落ち着いてまず止水栓を止めましょう。それぞれの止水栓や元栓の位置も普段からチェックしておくと良いでしょう。石巻市の場合は、石巻市地方広域水道企業団へ問い合わせ、指定給水装置工事事業者へ修理を依頼しましょう。石巻以外の場所も、水道局で調べると対応してくれるところを見つけることができます。清掃については、毎日お料理をする方は、キッチンで出る生ごみはすぐ専用のBOXへ。調理後に出た植物油や動物油は絶対に廃止口に流してはいけません。油ものは牛乳パックや新聞紙を活用し、キッチンペーパーでふきとってから洗いましょう。シンクへ流してしまった油は冷えて固まり、排水管のつまりや悪臭の原因になります。洗い桶は撤去し、食後の食器類には生ごみを除去したあと、重ねずに水をはっておきましょう。キッチン台には、いつも使用する最低限のものだけ置く習慣を付けると、片付けやすくなります。鍋や食器類もすぐ洗って所定の場所へしまい、週一回でもキッチンリセットを心がけましょう。カビやぬめりが出る前にこまめに柔らかいスポンジで洗いましょう。硬いタワシやメラミンスポンジを使用すると目に見えない細かいキズができてしまいます。すると、余計に汚れが付きやすく、菌が繁殖しやすくなってしまいます。シンク内の掃除後に、コーティング剤を使用すると撥水効果で汚れが付きにくくなるのでおすすめです。水分をはじくようになるため、汚れや水垢が付きにくくなります。 鍋や洗い物はすぐしまい、常に最小限のものだけ置く状態を維持するのがキッチンを衛生的に保つコツです。

6.定期メンテナンスの重要性

注文住宅 定期点検の重要性

6-1.水回りの定期点検

水回りは、家の中で最も劣化しやすい部分です。水漏れや配管の詰まりがないかを定期的にチェックしましょう。早めに点検修理を行うことが、家全体のダメージを防ぐために重要です。特に、キッチンや浴室、トイレの水回りは定期的に点検しましょう。止水栓・元栓の位置も把握しておきましょう。

6-2.外壁と屋根のメンテナンス

先にも述べましたが、湿気は外壁や屋根にも影響を与えます。定期的に塗装や防水処理を行うことで、外壁の腐食や屋根の劣化を防ぐことができます。また、外壁や室内クロスに浮き出てきたシミ、天井のシミなどは漏水のサインかもしれません。外壁や屋根の状態を定期的にチェックし、必要に応じて修繕を行うことで、家の耐久性を保つことができます。余談ですが、窓などの結露も家の劣化に繋がります。内窓の設置なども今なら国から補助金も出ているので、選択肢の一つとなるでしょう。よろしければ関連記事注文住宅を建てるなら知らないと損?補助金制度と減税措置とは?をご覧ください。

7.まとめ

木造住宅における湿気対策は、家を長持ちさせるために最も重要な要素の一つです。風通しを良くし、換気や除湿を徹底することで、木材の腐食や白アリの被害を防ぎ、家の寿命を延ばすことができます。また、定期的なメンテナンスを行うことで、家全体の健康を保ち、快適で安心できる住環境を維持することが可能です。湿気管理をしっかり行い、長く快適に暮らせる木造住宅を目指しましょう。

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