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注文住宅の豆知識

放置NG!梅雨の湿気が引き起こす家の危機とその対処法

6月を迎えると、全国的に「梅雨入り」の話題が増えてきます。長雨が続くこの季節、住まいにとっても大きな影響を与える時期といえるでしょう。私たち工務店は、普段から多くのご家庭の建築やメンテナンスに関わっていますが、梅雨は特に「住まいの弱点」が表れやすい季節でもあります。

放置NG!梅雨の湿気が引き起こす家の危機とその対処法

これから住まいづくりを考える方、あるいはすでにお住まいの方へ向けて、梅雨時期に気を付けたいポイントをわかりやすくお伝えしていきます。

 

1.湿気は住まいの大敵

梅雨時期の最も大きな特徴は、空気中の湿気が多くなることです。湿度が高い状態が続くと、住まいにさまざまな影響が出てきます。

1-1.どんな影響がでる?

放置NG!梅雨の湿気が引き起こす家の危機とその対処法

具体的には、カビの発生、ダニの増殖、木材や建材の劣化、室内の不快感などが挙げられます。特に、押し入れやクローゼット、家具の裏など、空気が滞留しやすい場所では湿気がたまりやすくなります。カビは、見た目や臭いだけでなく、アレルギーの原因になることもありますので注意が必要です。

1-2.対処法は?

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対策としては、こまめな換気が基本です。晴れ間を見つけて窓を開ける、サーキュレーターや扇風機を使って空気を循環させるなど、湿気をためない工夫が大切です。

2.室内の湿度は60%以下を意識

放置NG!梅雨の湿気が引き起こす家の危機とその対処法

湿度が60%を超えると、カビやダニが発生しやすくなります。室内の湿度管理は、快適さだけでなく健康面にも関わる大切なポイントです。最近では、湿度計がついたデジタル温湿度計も手軽に入手できます。湿度を「見える化」することで、必要なときにエアコンの除湿機能や除湿器を適切に使うことができます。

2-1.たまったほこりに注意

湿気はほこりと結びつくことで、カビの栄養源にもなります。掃除をこまめに行い、ほこりやゴミをためないことも大切です。家具の裏や部屋のすみまで、時々チェックするよう心がけましょう。

3.雨漏りは事前の備えが肝心

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梅雨になると、雨漏りの相談が増えます。屋根や外壁、ベランダ、防水シートの劣化など、さまざまな要因で雨水が建物の内部に入り込んでしまうことがあります。

3-1.雨漏りが家に与える影響

雨漏りの問題は、一見すると目に見える場所だけの問題のように思われがちですが、実は建物の構造そのものにダメージを与えるケースも少なくありません。柱や梁が濡れ、腐食してしまうと、家全体の強度に関わることもあるのです。

3-2.点検はとっても大切

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理想は、梅雨に入る前の春先などに、屋根や外壁、防水まわりの点検を行うことです。専門業者に依頼すれば、目視点検や必要に応じた補修も可能です。雨が降ってから慌てるのではなく、雨が降る前の備えを意識することが大切です。

4.窓や玄関まわりにも注意を

家の中に雨水が入り込む経路は、屋根だけではありません。実は、窓まわりや玄関のすき間からも湿気や雨水が侵入することがあります。

4-1.雨水が入り込みやすい場所

窓のパッキンが劣化していると、そこからわずかな雨水が侵入し、室内の壁紙がはがれたり、床が湿ってしまったりします。また、玄関ドアの下に水がたまる場合も、敷居の劣化や勾配の問題が関係していることがあります。

4-2.日頃の確認が大事

こうした部分は、日ごろから目視で確認できる場所です。すき間が目立つようであれば、応急処置としてすきまテープや防水シートなどの簡易対策も有効ですが、専門業者の点検をおすすめします。

5.洗濯物の部屋干しには注意が必要

放置NG!梅雨の湿気が引き起こす家の危機とその対処法

梅雨時期、外に洗濯物を干せない日が続くことで、室内干しが日常的になります。しかし適切な対策をしないまま室内干しを行うと、部屋の湿度が急激に上昇し、カビやダニの発生、建材の劣化などにつながるリスクがあります。

5-1.空気の流れを確保する

放置NG!梅雨の湿気が引き起こす家の危機とその対処法

洗濯物が乾くには、空気の流れが欠かせません。サーキュレーターやエアコンの除湿モードを使用し、空気が滞らないようにしましょう。換気扇を併用するのも効果的です。

5-2.干し方を工夫

洗濯物どうしの間隔を適度に空け、風通しを確保します。タオルなど厚手のものは裏返して干すと乾きやすくなります。干す場所も、できるだけ風通しの良い窓際やエアコンの吹き出し口周辺などを選ぶと乾きやすくなります。

5-3.湿度管理を意識する

部屋干しを行うと室内の湿度はすぐに上昇します。湿度計を設置し、60%を超えないよう注意しましょう。必要に応じて除湿機を使用し、湿気をコントロールすると良いでしょう。

5-4.洗剤選びも重要

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部屋干し用の洗剤を活用することで、生乾き臭や雑菌の繁殖を防ぐことができます。最近では抗菌・消臭効果に優れた製品も多く、部屋干し派の強い味方になります。

5-5.建物への影響にも配慮を

室内干しを日常的に行う家庭では、クロスの裏に湿気がたまり、壁紙がはがれたり、床材が膨れたりする可能性があります。長期的には、換気機能を備えたランドリールームの設計や、湿気に強い内装材の選定も視野に入れることも考慮しましょう。

6.小さなメンテナンスで、大きな安心

放置NG!梅雨の湿気が引き起こす家の危機とその対処法

 

私たち工務店が大切にしている考え方のひとつに、「家は建てて終わりではなく、住みながら育てていくもの」という言葉があります。梅雨時期に目立つトラブルの多くは、実は日ごろの点検と小さなメンテナンスで防げるものばかりです。たとえば、雨どいの掃除、ベランダの排水口チェック、換気扇のフィルター清掃など、1時間もかからない作業が、住まいの寿命をのばし、快適さを守ってくれます。特別な道具がなくてもできることが多いので、ご家族で分担して行うのも良いでしょう。梅雨をひとつの点検のタイミングと考えて、住まいと向き合ってみてください。

まとめ

放置NG!梅雨の湿気が引き起こす家の危機とその対処法

梅雨は、日本の風土に根ざした大切な季節でもあります。一方で、住まいにとってはさまざまな課題をもたらす時期でもあります。私たちが一番お伝えしたいのは、「住まいは人が快適に過ごすための土台」であるということ。湿気やカビ、雨漏りなどの小さな異変も、早めに気づき、対応することで大きなトラブルを防ぐことができます。これから家を建てようと考えている方も、すでに暮らしている方も、「梅雨の季節」をきっかけに安心と快適を守る住まいの見直しを検討してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。宜しければ関連記事「【注文住宅】木造住宅と湿気対策:家を長持ちさせる秘訣」も併せてご覧いただければ幸いです。

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