洗濯機を回す作業そのものは、それほど大きな負担ではありません。時間がかかるのは、その後の「干す」「乾くのを待つ」「取り込む」です。石巻で共働きをしながら子育てをする家庭では、朝は子どもの支度と出勤、帰宅後は夕食、お風呂、寝かしつけがあり、家事に使える時間は限られます。
この記事では、夫婦2人と幼稚園児、小学校低学年の子どもの4人家族を想定し、次の4つの方法で年間の時間と費用を比べてみることにします。
- 自宅で干す
- ランドリールームをつくる
- コインランドリーで乾かす
- ガス衣類乾燥機「乾太くん」を使う
洗濯物の量、使う機器、料金、天候によって変わります。また、洗剤・柔軟材や水道代は計算に入れていませんので、あくまで目安としてお伝えできればと思います。
1. 4人家族の洗濯回数を数える

子育て中の家庭では、洗濯が1日1回で済まない日があります。幼稚園や学校の着替え、タオル、体操着、給食用品が加わるためです。また、天候により洗濯物をまとめてしなければならないこともあるでしょう。2026年の洗濯に関する調査では、毎日洗濯する人(1日1回と複数回の合計)は4人世帯で72.3%でした。
そこで回数を次のように想定してみることにします。
- 通常の日は1日1回
- 洗濯物が多い週2日は1日2回
週9回 × 52週 = 年間468回
2. 共働き家庭は洗濯の時間帯が限られる
千趣会が2024年に共働き世帯129人へ行った調査では、洗濯する時間帯は「朝」が60.5%、「夜」が48.8%でした。室内干しをする世帯は72.1%で、そのうち49.5%は常に室内で干しています。石巻でも、季節によって洗濯物の乾き方は変わります。朝は外に干せそうな天気でも、帰宅する夕方まで持つとは限りません。日中に家を空ける家庭では、外に干せるかどうかだけでなく、家の中でどう乾かすかまで決めておくと安心です。
3. 自宅で干すと、年間117〜195時間

1回あたりの作業時間を、干すことに10~15分、取り込みに5~10分と仮定すると、合計で1回15~25分。年間468回なら、約117~195時間になります。
1回20分で計算しても、
20分 × 468回 = 156時間
日数に換算すると、約6.5日分です。
1回だけを見ると短く感じる時間でも、毎日の繰り返しになると、1年間ではこれだけの時間になります。しかも、ここで計算しているのは、あくまで「干す」「取り込む」という作業だけです。実際の洗濯には、その前後にもさまざまな家事があります。洗濯機に入れる前の衣類の仕分けやポケットの確認、洗濯ネットへの仕分け。乾いた後には、アイロンがけ、洗濯物をたたむ作業、家族それぞれの場所へ収納する作業などもあります。雨の日には「どこに干そう?」と考えたり、乾き具合を確認したりすることもあるでしょう。これらすべてを合わせると、「洗濯」という一言では表せないほど、多くの小さな作業が毎日の中に積み重なっています。食事をつくって、食べて、片づけるのと同じように、洗濯も一度で終わる家事ではありません。毎日繰り返す家事だからこそ、その一つひとつの作業を少し減らすだけでも、1年、5年、10年と積み重なれば大きな違いになります。
4. 日本では、なぜ外干しが一般的なの?

アメリカなどでは、洗濯機の隣に乾燥機を置き、「洗う→乾かす」までを室内で完結させるスタイルが一般的です。では、なぜ日本では今でも「洗濯物は外に干す」が当たり前なのでしょうか。
大きな理由のひとつは、これまでの日本の住宅と洗濯機の進化にあります。日本では、洗濯機が普及した頃から「洗濯機で洗い、ベランダや物干し場で干す」というスタイルが広く定着しました。住宅にも洗濯物を干すためのベランダや物干しスペースが設けられ、洗濯機は「洗うための家電」として使われることが一般的でした。一方、アメリカなどでは、洗濯機と乾燥機をセットで設置し、室内で乾燥まで行う住宅が多くあります。ランドリールームなど、洗濯そのものを室内で完結させるためのスペースが住宅の中に確保されてきたことも違いのひとつです。
もちろん、日本には「天日干しは気持ちいい」「太陽の光で乾かしたい」という文化的な感覚もあります。晴れた日に洗濯物が風に揺れている光景は、日本の暮らしの中ではごく身近なものです。ただ、今の生活を考えると、少し事情が変わってきています。共働き家庭では、朝に洗濯しても日中は家を空けていることが多く、天気が変わってもすぐに取り込むことができません。花粉や黄砂などが気になる時期もありますし、季節によっては「外に干せば必ず快適に乾く」とも限りません。実際、2026年の生活定点調査では、フルタイム共働き世帯の47.6%が、晴れている日でも「室内干しのみ」と回答しています。つまり、今の日本では「晴れたら外に干す」だけが洗濯の正解ではなくなってきているのです。洗濯機で「洗う」だけでなく、その後の「干す・乾かす・取り込む」までをどうするか。共働きで子育てをしながら暮らすなら、洗濯の方法そのものよりも、家の中で洗濯をどこまで完結できるかを考えてみることも大切です。それが、ランドリールームや乾燥機といった設備を家づくりに取り入れる理由のひとつになります。
5. ランドリールームを作って洗濯を楽に!

家づくりでは、洗濯する場所を整える方法もあります。洗濯機の近くに室内物干しを設ければ、濡れた衣類を別の部屋へ運ばずに済みます。洗う、干す、乾かす、たたむ、しまうを一か所にまとめることもできます。
日中に家を空ける石巻の共働き家庭には、夜や休日の都合に合わせて、天気に関係なく洗濯を終えられる場所として役立ちます。大きな部屋は必須ではなく、洗濯量と生活の流れに合わせて広さを決めることが可能です。ランドリールームに乾燥機も必須ではありません。物干しだけを設け、晴れの日も雨の日も、夜に洗った後も、花粉の時期も室内で干せるメリットがあります。
広さより先に考えたいのは動線です。洗濯機、物干し、作業台、収納が近くにあれば、洗濯物を持って家の中を往復する回数が減ります。洗面脱衣室や家族共用の衣類収納と隣り合わせにすると、洗ってからしまうまでが短い距離でつながります。「何帖にするか」より前に、洗濯物が家の中をどう動くかを描いてみると良いでしょう。
6. コインランドリーは年間14万〜18.7万円

石巻市内のコインランドリーの一例では、中型乾燥機が10分100円、大型乾燥機が8分100円です。乾燥に30〜40分かかるとすると、1回300〜400円になります。
300〜400円 × 468回 = 年間約14万〜18.7万円
この金額は乾燥だけの費用です。洗濯機の水道代と電気代は別にかかります。
石巻は車での移動が中心の家庭が多く、店が自宅からどれくらい離れているかで使いやすさが変わります。洗濯物を車に積み、店へ行き、乾燥機に入れ、終わるころに取りに行き、持ち帰る手間があります。料金に加えて、この移動の時間と手間も費用として考える必要があります。
7. ガス衣類乾燥機(乾太くんの場合)は乾燥費が年間約4.8万円
ガス衣類乾燥機の例として、乾太くんを取り上げてみたいと思います。リンナイの家庭用乾太くんには3kg、5kg、8kgのタイプがあり、現在は9kgと6kgのデラックスタイプも販売されていまるようです。ここでは4人家族を想定して8kgタイプで試算してみます。
- 希望小売価格:198,000円(税込)
- 乾燥時間:約80分
- 乾燥コスト:メーカーの試算条件で1回102円
102円 × 468回 = 年間約47,700円
本体価格のほかに、設置場所によって専用台、ガス配管、排湿管の工事費がかかります。工事費は住まいごとに異なるため、ここでは含めていません。後から設置すると壁や床の工事が増えやすいので、新築なら間取りを決める段階で置き場所を決めておくと進めやすくなります。
コインランドリーとの差額は、乾燥費だけで年間約9.3万〜14万円です。本体価格の198,000円だけで見ると、約1.4〜2.1年で差額が本体価格に並ぶようです。工事費を足せば、この年数は延びます。
8. ランドリールームに乾太くんを置く
干す場所と乾かす設備を一つの空間にまとめる方法もあります。洗濯機で洗い、乾太くんで乾かし、その場でたたみ、近くの収納にしまう流れです。すべての家庭に必要なわけではありません。乾太くんを使わずに部屋干しをする方法も、洗濯機と乾燥機を小さくまとめる方法もあります。設備を先に決めず、家族の暮らし方から選びましょう。
9. 4人家族で比べてみよう
| 自宅干し | ランドリールーム | コインランドリー | 乾太くん | |
|---|---|---|---|---|
| 年間洗濯回数 | 468回 | 468回 | 468回 | 468回 |
| 干す作業 | あり | あり | なし | なし |
| 取り込む作業 | あり | あり | なし | なし |
| 移動 | 少ない | 少ない | 車で必要 | 少ない |
| 天候の影響 | 受ける | 受けにくい | 受けにくい | 受けにくい |
| 乾燥費 | ほぼ0円 | ほぼ0円※ | 約14万〜18.7万円/年 | 約4.8万円/年※ |
| 初期費用 | 基本不要 | 間取り・設備費 | 基本不要 | 本体+設置工事等 |
| 家事動線 | 家庭による | 短くしやすい | 家の外へ移動 | 短くしやすい |
※電気代、ガス代、除湿機を使う場合はその費用が別にかかります。
- 自宅干しは費用を抑えやすく、干す作業と取り込む作業が残ります。
- ランドリールームは、乾燥に費用をかけなくても動線を短くすることが可能です。
- コインランドリーは乾燥の手間を減らせますが、車での移動が必要となります。
- 乾太くんは初期コストがかかりますが、自宅で乾燥まで済ませられるメリットがあります。
10. 家づくりで考えたいのは、洗濯機の後の流れ

設備を選ぶときは、洗濯機や乾燥機の機種に目が向きます。家づくりでは、その後の流れも決めておく必要があります。
- 洗濯機から物干しまで何歩か
- 乾いた洗濯物をどこでたたむか
- たたんだ服をどこにしまうか
- 子どもの服はどこに置くか
- 雨の日はどこで乾かすか
- 乾太くんを置くなら、どこが使いやすいか
一つずつ答えを出していくと、必要な広さと配置が決まります。石巻で共働きと子育てを両立する家庭にとっては、帰宅してからの家事を減らせる配置かどうかが判断の基準になります。
まとめ|洗濯が楽になる家は、家族ごとに違う
共働きだからといって、乾太くんが必要とは限りません。ランドリールームだけで足りる家庭もあります。外干しを好む家庭は、物干しスペースを優先できます。夜に洗濯する家庭は、室内干しを中心にした動線が合います。子どもが成長すると洗濯物は増えるため、数年後の量も見込んで計画すると後悔が少なくなります。人気の設備だからという理由で選ぶより、自分たちの暮らしで洗濯の負担がどこにあるかを先に確かめてください。動線が数歩違うだけでも、10年、20年では大きな差になります。
OWL HOUSEでは、ご家族の生活リズムや家事の進め方を伺い、毎日の暮らしに合わせた間取りをご提案しています。「洗濯の負担を減らしたい」という小さなご要望も、家づくりの手がかりになります。まずはお気軽にご相談ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。宜しければ関連記事「【シロアリは他人事じゃない!】マイホームを守る基礎知識と対策」も併せてご覧いただけますと幸いです。


